第10話 空は蒼く、海は青く

第10話 空は蒼く、海は青く


人は生まれついた時から平等ではあらず。

弱者は潰され強者は上に立つものなり。

人は争いに負けたのならば代償は支払うものなり。それ即ち「人としての権利」なり。

セカイに神あらず。悪魔あらず。

セカイは人が造り上げるものなり。

敗北者は勝者に歯向かうことあるべからず。


第3章第10話 空は蒼く、海は青く


一人の少女の叫び声が聴こえるその「プラーザ」に一発の銃声が響き渡る。


「ふぇ?」


腰を抜かしたシャロットは涙とともに体制を崩した。銃弾を打った弾がシャロットを拘束していた男の脳天に直撃した。シャロットのまだ新しい士官軍服にはドス黒い真っ赤な血が付着した。


「やっと共和国に付いたってのに、最初のイベントがこれとはなぁ…僕もほんと、とことん神に嫌われているみたいだな!」


シャロットを拘束していた男を撃ち殺したのは、この共和国の人間ではないシャロットと同じぐらいの年齢の一人の男の子だった。だが、撃ち殺したのは腐っていても軍人は軍人。見つかってしまったら死刑だろう。シャロットはまるで生まれたての子鹿のように震える足を支えながらたった。そして急ぎ足で彼の腕をつかみ言った。


「ちょっと来てください!お話があります!」


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アレクダルア共和国郊外「テルン」。

過去に激戦区だった街は、恐ろしい有様だったが、1ヶ月で波の国の首都並みの発展を遂げた近未来都市。そんな街にあるのは一際目立つ豪邸。そのおおきすぎる廊下をまだ震える足で歩いているのは一人の少女と、少年。

シャロットと、名も知らぬ少年。シャロットはその華麗な赤髪を風に揺らせながらあるいている______のだが、なんでか今日のシャロットは様子がおかしい。そして大きすぎるってか、無駄すぎるその構造の扉の前で立ち止まり、


「いいですか?少し待っていてくださいね?」

「え、?あっはい。」


ふふふふふ、と気味の悪い笑い方をしながら大きな扉を開けた。


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「____叔父様!!報告があります!起きてますよね!」


普段の清楚系を完全に投げ捨てズコズコとまたもや無駄すぎる大きな椅子へ向かって歩く。しかし、、、


「んーーと?誰じゃ君は?」

「____はい?」


期待外れと言うか、まっすぐ行こうかと思ったら間違ってまがっちゃってあたふたしてたら斜め上を右折しちゃった感じの返答が帰ってきたので、はい?としか返せない状況下。


「知らない人の勝手な入室は今後から気をつけていだ抱きたく存じまする。」

「叔父様、舐めてます?」

「ごめんね〜!」

「ああもう!叔父様しっかりしてください!だらしないですよ!」

「どかどか歩いてきた君には言われたくないねぇ」

「うぐっ...」


と、呆れたようにデカ過ぎる大きな椅子に向かって歩いている。今度はしっかりと清楚系な感じで階段を登り、俯いて座る叔父様こと、アレクダルア共和国軍少将「ザットレイ・ミアレラルラ」。実際の血の繋がりはないものの、とてもお世話にはなっている_____が、


「とぉぉう!!!!」


と、七十歳ができるはずのない頂戴ジャンプを華麗に決めてシャロットの前に膝をつき前を向いて、軍服のミニスカートを覗いて


「シャロちゃんの今日のおぱんつピンク色♡」

「死ね。」


軍服の内ポケットから携帯用拳銃を取り出し打った。しかし少将は前段華麗に交わしてドヤ顔をした。___いや絶対この人年齢偽装してるでしょ。


「流石ですね。少将。ただ、次やったら核兵器おとしますからね?」

「かわいいかわいいシャロちゃんのおぱんつを見るためならしんでもいいかな☆」

「分かりました。なら核兵器を。」

「ごごごごめんなさい!もうするかもしれないけどしませんとも約束しないけどごめんなさいとは言わないから!」

「核兵器を。」

「あっはい。すいませんでした。」


シャロットは大きくため息をついて


「こんなコントは誰も求めてません。要件を話に来まして。」

「要件ってねぇ〜ながくしないでねぇ〜」


この人は・・・っていつ椅子に戻ったんだこの人。やっぱり人間じゃないんじゃ...病院行かないと.........


「で?なぁに?要件って。」


悪巧みしたようにシャロットは笑い口を開いた。


「________!!」


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赤髪が離れて十分ぐらいたった。

血のついた手をカーペットに擦り付けてポケットに入っていた、ポルティアを取り出した。携帯のようなものだ。暇すぎたのでポルティアで暇つぶしをしようとしていた。その時だった。アレクダルア共和国軍の総司令官、及びに総帥「アゲアーバ・ザット」が生中継を行うとして全世界が注目していた。最もポルティアが普及している国に限るが。

その中継が、後に史上最悪と呼ばれる戦いの幕開けとは.........わかったら逆に怖いわ。


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あとがき


こんにちは!五十嵐のるるんです!遂に10話へ届きました。やっと話は「大革命戦争編」に突入します!まさか、「二人の出会い編」が10話もかかるとは、執筆中は思いもしませんでした・・・そして同じに300PVを超えることが出来ました!1000PVを目指して書いているので、まずまずかと。これからもよろしくお願い致します!それでは11話でお会いしましょう!

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