第2話 ゼロに戻ったセカイ

第二告白 ゼロに戻ったセカイ


「お前は無能なんだよ。」

僕はアイルにそういわれた。違う、消して僕は無能なんかじゃない。だっていつもいつもこうしてきたじゃないか。こうやって普通に暮らしてきたじゃないか。そんな僕の何が無能なんだ!


「なら問うよ!俺のどこが無能なんだ!お前らには俺に助けられたことはないのか?有っただろう!数えきれないぐらいな!それなのによくも無能だなんて言えるな!」



そう僕は怒鳴り散らした。だけどアイルたちの瞳には変化が見られない。だけど僕は続けていい放った。


「友人なんだろ?こんな酷いことを言えるお前らの方がよっぽど無能だろうが!!」


その瞬間、ユウキの顔面に強烈な拳が飛んできた。


「いてぇな!何しやがる!!」

「だから無能だと言っているんだ。自分の愚かさと見苦しさにも気づかずに、恥を回りに押し付けたあげくに同情しろと?甘ったれるな!ふざけるのも大概にしろ!」


と彼は言い放った。重い言葉だった。


「クズにはクズ成りに有るはずなのに、お前は愚かだな。」


呆れたアイルとメアが去っていった。それを止めようとしたユウキが「待って!」と叫ぶもその言葉の信用性は低く彼らの心には響かない。


「クズに喋る舌などない。」


そう吐き捨てられアイルたちはその場を後にしたのだった。


町人からのいたい視線を耐え続きユウキは家へと帰っていた。だがそこには家の

家主が居たのだった。


「いい加減家賃払ってもらわないと、追い出すよ!」

「すいません・・・あと1日だけ待っていただけませんか?」

「ったく・・・本当にラストだからね。」

「ありがとう・・・ございます・・・・」

「はぁ・・・家賃払えないならくるんじゃないよクズが、」

「はい・・・すいません・・・」


正気を無くした彼の瞳は黒く邪悪に染まっていた。


「・・・ここにご飯おいとくから食え

よ・・・。」


聞こえているかも解らない妹に最後の食材を使い“封印”された部屋の前において家を後にしたのであった。


このセカイでは色々な意味で有名な森、

「エアリヌア森林」。ここにはたくさんのD級アドルフが存在するため、昼の間はとても賑わっているのだが、夜はアドルフたちが活発になるため、夜での戦いは避けている。あの「ブラックフォックス《現実の人狼》」でさえも夜での戦いは避けているらしい。

だが、明日の朝にでも家賃と割ってしまったビール代を返さなければ、、、家畜以下の扱いになるだろう。予想はできている。したいものではないが。だからなんとしてでも今日中に八千万ベイカリー集めなければいけない。八千万ベイカリーはD級アドルフが20体ぐらいだろうか・・・。気が遠くなる。それにそもそもD級を倒せるかが問題だ。部隊で戦ったとしても勝っているものはごくわずかなのに1人など・・・

正気の判断ではない。いや、今の彼はもう正気ではないのかもしれない・・・。だが_______ユウキの目の前に出てきたアドルフは・・・・B級だった。


「B級・・・でも、勝てば九千万ベイカリー!全部返済できる!あいつらに一泡ふかせてやる!見てろ!泣いて謝っても、絶対に許さないからな!!!!」


そう言って背中につけた錆びた剣を抜いた。

が、勝てるわけがなく、目に見えない速度で勇気の背中に回り込んだB級アドルフ。

アドルフは拳を突き上げ降り下ろしてくる。


「やばっ・・・死ぬかも・・・」


記憶ははゼロに戻ろうとする____。

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