Re.start〜僕がセカイから消えたとしても君に好きと叫ぶだろう。〜
五十嵐 のるるん
第一章~世界に希望があるのなら~
第1話 僕と、君と、僕と。
第1章~世界に希望があるのなら~
第一告白 僕と、君と、僕と。
この世界はかつてアドルフ《魔物》と呼ばれていた魔物に世界が征服された。だが、それに対抗したかつての勇者はほんの一部であったが領地を奪還することができた。すべての文明が消えた世界では、また新たな文明が生まれる。あたりまえだが。アドルフを倒すとアドルストーン《宝石》がドロップする。それを交換することでお金が得られる____というわけだ。それを求めて勇者はアドルフへ立ち向かった。だが、現実はそんなに優しいものではない。アドルフにはランクが存在する。最強クラスがSS級、S級など・・・D級までが存在する。が、立ち向かったかつての勇者たちはD級アドルフでさえ倒せず、一か月で二千人以上が死んだ。と言われている。それからというもの、勇者たちは「グループ」いわゆる部隊を作り、団体で戦いを仕掛けた。それが、世界で初めてアドルフを倒した瞬間だった。が、ん?と思っただろう。一部を奪還した理由はまだわかってはいない。何も情報が残ってはいない。まるで、強制的に忘れさせたような気がする。話を戻そう。SS級を倒したものはだれもいない。それだけあって倒すと八億ベイカリーは貰えるであろう。たとえるなら果物一つが五ベイカリーといえばその莫大な金額がわかるだろうか。そんなD級すら倒せるかわからない人々が、この世界には充満していた。そんな一人の物語なのだ_______。
僕がセカイから消えたとしても君に好きと叫ぶだろう。
<僕と、君と、僕と。>
「はぁぁぁ!今日もいい朝だねぇ!」
さわやかな光が朝を伝える。
フッフウーン。とお得意のリズムを踏んで朝ご飯を作る。世界では朝ご飯は買うのだが・・・こいつは違った。と、その時ノックする音が聞こえた。
「ユウキ~?起きてる~?はいるわよ~?」
そう朝から来てくれるのは僕の親友でもあり幼馴染でもあるフラゼルア・メア・ガーデンだ。そして僕はすぐに返事を返した。
「待ってて!すぐ行くから!」
「はいはい!!」
まったくいつも道理の会話が家中に響く。そして作った朝ご飯を慣れた手つきでお盆に乗せて、階段を駆け上がっていく。そして魔法で閉じられたいや、封印。と言ってもいいだろう。そんな部屋の前にご飯を置きユウキは呟いた。
「それじゃあ、行ってくるね。」___と。
「ごめん、遅れたわ~。」
「はぁ・・・ユウキもシスコンね、ちょっと引くわ。」
「いや、親から言われてるだけだし、顔見たことないし。」
「まぁいいわ。アイルが待ってるわ。急ぎましょう。」
「はぁ・・・はいはい。」
今日は幼馴染2人と酒を交わす約束をしていた。その内容はユウキの貯金が底を尽きたため、2人と部隊を作り、アドルフを倒そう。という内容だった。
「おまたせ、アイル。」
「ああ、待ったぞ結構。」
こいつがアイル。アイル・メアシャーク。幼馴染で頭もよくて、とても頼りになるやつだ。
「ああ悪いな、ちょっとメアが足引っ張ってて、」
「はぁ!?逆にあんた待ってたんですけど!?」
はっ!そりゃどーもだ!
「お前らなぁ・・・ここ腐っても店だからな?」
と、アイルがささやいた瞬間厨房から
「なにが腐ってもだコノヤロー!!」
ここのオーナーとは長い付き合いだ。結構前から世話になっていた。
「事実を言ったまでですよ。おやっさん。」
「まぁ確かにな!」
いや、認めるんかい。
「で?本題に移りたいんだが。」
「いやお前だろ原因。」
こんな阿保らしい会話が楽しく感じていた時、’’それ‘‘は起きた。
ドン!!!!!
と大きな音を立てて店の扉が飛んだ。そして逆光の黒い影から出てきたのは・・・
部隊ランキング3位の「ブラックホォックス」だった。この部隊はS級アドルフを5体倒した化け物の集団だ。それに1000人以上いる超巨大組織になった。だから世の人たちは口をそろえて言う。現実の人狼と。その理由はこれからわかるはずだろう。
「おい!クソジジイ!早く酒ださんか!!ぶっ殺すぞ!」
「はっはい!!申し訳ありません!」
「こんなクソボロの店に来てやってんだよぉ!早く出せや!」
「ハハハハハッ!!!」
分かっただろう。こいつらがクソだという理由が。そしてこいつらは散々荒らしてそして・・・
「くそマジいなぁ!この酒はぁ!次来るときは良いの用意しとけ!」
「え・・・?」
「なんだ?文句あんのかぁ!?クソジジイ!!!!!」
「はい!!!!わかりました!」
と、言ったとき、僕は立った。
「ゆっ・・・ユウキ?まさか?」
「だいじょうぶい!」
そう答えた。そして奴らの中のリーダーを睨めつけた。
「あ?ガキ、なんかあんのか?」
そして僕は奴を睨めつけて、
「ざけんなぁぁぁ!!!」
と叫んで殴り掛かった。が、小指で受け止めれ、
「死ねこのガキ。」
思いっきりホン投げられビールの掲げられたカウンターへ直撃して貴重なビールが粉々になった。中には八千ベイカリーのお酒もあった。家が3つは買えるであろう。
「次来た時ちゃんと酒用意しとけ。じゃなきゃ殺す。」
と言い残し奴らは去っていった。
「いてて・・・くそぉ・・・あいつらめぇ・・・・」
と、起き上がり周りを見渡すとみんな白い目で僕を見ていた。
「もう出てけ!クソガキ!!!!!」
おやっさんは怒鳴って俺たちを蹴り飛ばした。そしてようやくわかった。
そしてアイルが上から見下ろして呆れたようにつぶやいた。
「いい加減気づけよ。お前は無能なんだよ。」
と、僕は初めて気づいた。いや、気づくのが遅すぎた。
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