異能力者がいる世界

雨津 海衣

冒険編

第1話

世界最大の大陸アルサレイム大陸にラリネ国と言う国があった。平和な国で人々も楽しい日々を過ごしていたが、ある時隣の国で大陸最強であるアール国が攻めてきて国の領地は少しになってしまった。そこでラリネ国の王様はどうすればアール国を倒し大陸最強になれるのか王国一の占い師に占ってもらった。

占い師が言うには、

「隣の国の王様を倒すには4人の勇者が力を合わせれば良い。4人は異能力者でそれぞれ左腕か右足、両方の鎖骨のどちらかにスペード、ダイヤ、クラブ、ハートのどれかの痣があるだろう。それもくっきりとその形にな。それと勇者は1人はミール町にもう1人はアルバ村に後の2人はロリ村にいる。」

それを聞いた王様は、

「分かりました。ありがとうございます。今すぐに探せ!」

と言い家来たちはすぐに探しに出て行った。


そしてある日のこと。王様の家来がとある道場にやってきた。

「すみません!」

と戸を叩くと出てきたのは大柄の男性とがっしりとした体型の少年だった。

「王宮のものです。此処にはお二人で住まわれているのですか?」

「はい。それが何か?」

2人はなぜ家来が家にやってきたのかわからなかった。

「そうですか。ではお二方どちらか痣はありませんか?くっきりとしたスペードかダイヤかクラブかハートの。」

「俺にはないが、アランにはあるぞ。見せてやれ。」

男性はそう言って少年に痣を見せるように促す。すると少年は左腕を差し出した。そこにはくっきりとその形を持つスペードの痣があった。家来は興奮を隠しきれない様子で言った。

「貴方だったのですね!1人目の勇者様は!王宮に来てもらってもよろしいでしょうか?しかしこれから冒険をすると思われます。ご家族とは暫く会えないでしょう。」

それを聞いた少年は男性の方を見た。すると男性は

「いいじゃないか。俺は鼻が高いぞ。お前が勇者っていうことには。頑張ってこい!」

「ありがとう父さん!」

そうして少年は王宮に来た。そして目の前には王様がいる。少年は緊張していた。それを見た王様は

「緊張せんで良い。リラックスしなさい。」

と言った。そしてなぜ少年が勇者なのかまた勇者とは何をするのかを説明した。少年は

「はぁ。分かりました。後3人を探し出して隣の国の王様を倒せば良いのですね。」

こうして探すことになった少年の名はアラン・ルルークという。アランはまず2人目の勇者がいるとされるアルバ村に行った。

しかしアルバ村に来たもののどのように探せば良いのかわからず途方に暮れていた。すると1人の少年が声を掛けて来た。

「どうしたんだい?」

アランはこの声を掛けてくれた少年に質問してみようと思った。

「実は、体のどこかに痣がある人を探してるんだ。」

「痣なら僕もあるけど。」

アランは少年の発言に驚く。

「えっどんなの?」

「これさ。」

そう言って少年は右足を見せた。そこにはくっきりとその形をしているダイヤの痣があった。

アランは興奮して

「それだよ!君だったんだ!」

と言った。

「どういうこと?」

一方の少年はアランが興奮していることが理解できなかった。アランは説明する。

「隣の国の所為で領地が狭くなったじゃん。それで隣の国の王様を倒すには4人の勇者が戦えばいいらしい。その勇者はダイヤかスペードかクラブかハートの痣があるらしいって。俺はスペード。君はダイヤってわけさ。」

少年は納得した顔をし

「そうか。後2人ってことだね。」

「うん。そうだね。」

そしてアランはもう1つの情報を教える。

「その人たちはロリ村にいるんだ。」

「そうなんだ。じゃあ。行こうか。あ。自己紹介忘れてたね僕はリリー・キルトよろしく。」

「俺はアラン・ルルークだ。よろしくリリー。」

リリーは父親に冒険に参加することを承認してもらい、2人はロリ村へ出発した。


2人はロリ村に着くとまず村長にあった。そしてまず異能力者がいるかどうか聞いた。すると村長は

「異能力者?ああ。此処には2人しかいないよ。呼んでくるね。」

そう言って連れて来たのは2人の少女。しかもそっくりの双子であった。

「「こんにちは。」」

少女達は声を揃えて挨拶をした。アランとリリーは質問をする。

「君達の両方の鎖骨あたりのどちらかに」

「クラブかハートの痣はあるかい?」

すると

「あるよ!ねリノン!」

「ええ。あるわ。私が左にクラブ。」

「私が右にハートだよ!」

と痣を見せてくれた。やはりくっきりとした形である。それを見たのちアランは今まで気になっていたことを確認した。

「それで…君たちは双子?」

やはり回答はイエスだった。

「そうだよ!私が妹でリノンが姉だよ!」

「その前に自己紹介でしょ?私が姉のリノン・ミルよ」

「ごめーん。妹のリノラ・ミルです!」

「それよりどういうことですか?」

そこで今度はリリーが質問に答えた。

「それが、隣の国の所為で国が小さくなったじゃないか。それで隣の国を倒すための勇者が4人いるらしくって。それが僕らなんだ。」

すると片方が、

「へー。私たち勇者なんだ〜。あっそうだ!リノンあれ使えるじゃん!」

「そうだね。」

アランとリリーはリノラが言った『あれ』がなんなのか気になった。リノラは続けて、

「じゃあ。行こ!」

と言いアラン、リリー、リノンの3人は一斉に

「「「うん!」」」

と返した。


こうして4人の勇者の冒険が始まる…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る