水曜日

湖国人

第1話 嫌いだ

朝の目覚ましが鳴る

今日一日が無機質なデジタルの音で始まってしまう

目を開けるといつもの部屋が見える

そこには人の姿は無い


大学を中退してからこのアパートへ引っ越して来た

親からの仕送りなんて無い

「誰の助けも借りずに自立して生きていく」

そう言って実家を飛び出した

思えば何かに関わり合うのが苦手な人生を歩んでいる

学生の頃に皆が作る「思い出」って名の作られた物に何の興味も無く

勉強は作業としか思えなかった

友達も恋人もいない生活は、他人から見れば面白くないと見えても

僕にしてみれば最高に楽しい人生だ


コーヒーを入れる

煙草を吸う…

此処では誰にも何も言われない自分だけがルールの空間


そう

僕は人間がキライダ

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