熟成

たくさんのお日様を浴びて

いっぱい気遣ってもらって

皆の笑顔を受けながら

私は大きくなりました


あまりに外が寒すぎて

家に出るのが億劫で

温かい私のねぐらで

小さく縮こまっています


ツヤッツヤなこのお肌

微かに漂う良い香り

おじいちゃんおばあちゃんは言ってくれた

お前は可愛い孫みたいなもんだ


動きたくは無いけれど

動かなければ死んでしまうので

なんとか聖地を飛び出して

コタツ天国へダイブ!


長い間旅をしてきて

色々な人と触れ合って

ようやくたどりついた

私の終着地点!


ここは天国なのだけど

やはり私は囚われた

仕方がないので

なにか食べますか


この橙色の肌

ぎゅっと詰まった中身

全てを堪能して頂戴?

じゃあ、行ってきます!


いただきます

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