ジレンマ

目を開ける


一面の花畑の中に


僕と小さな君は手を取り合っている


真っ白なワンピースが眩しい


たぶん季節は夏なんだろうね


二人とも汗だくだ


でも満面の笑みだ


なんて無邪気なんだろう


なんと幸せな時間だろう


ずっとずっとこの日を待っていた




儚い夢を見た


それを僕は知っている


もう叶わない夢だ


いや違う


一度も叶わなかった


叶えられなかった夢だ


生まれて初めて感じた


感動

後悔

無力


心を埋め尽くす感情


塗りつぶされてはじけそうで


でも


忘れたくない

忘れられない

忘れてはいけない


残るものはもう僅か


次第に消えていくのだろうか


どうしてこうも辛いのか


でも


この苦しさは絶対に無駄ではないから


これは僕の生きる糧


またいつかこれから


同じことがあるなら


二度と繰り返さないと


君に誓おう


何があっても必ず




ああそれでも


もう一度初めて君に


あいたいよ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る