赤のおはなし
こいをする
人は生まれ死んでいく
誰もがそうだ
必ず人は死んでいく
その途中で
人は命を燃やす
人は命を奪う
人は命を繋ぐ
人は命を終える
これと似た物を知っている
ああ、そうだ
こいも同じだ
自分の命を燃やして守りたいと願う
誰かの命を奪ってでも自分のものにしたい
新しい命を繋ぎ共に育む
いつか命を終えそれでもなお続く
ああ、こいとは人生なのだ
こいは人を支配する
こいをした人は弱くなる
本心を隠し嘘をつく
相手のことしか考えられない
思考が単純になる
こいが近くまでやってきたぞ
足音が聞こえる
脳裏にこびりつく
動悸が早まる
背筋が冷たい
ああ、こいからは逃げられない
ああ、こいがすぐそこにいる
いやだ、囚われたくない
こいに見初められればおしまいだ
こいしか考えられなくなるぞ
まだまっとうに生きたい
ああ、ああ、もうだめだ
つ か ま え た
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