ハルト。
ありくはな
プロローグ
「〇時〇〇分、ご臨終です。」
目の前の医師が、深々と私たちに向かって頭を下げた。
もう、この世にはいないんだね、今までありがとう、私も頑張るよ。
そっと、目を閉じ、心の中でそう呟いた。
強くならなきゃ。私は私らしく、あなたがいなくても生きていけるよ、って、胸を張って言えるように。
だってそう約束したもんね?私は自分の幸せを見つけて、あなたの分も精一杯生きていくことにするよ。
ああ…。いつかあなたが言ってたね、幸せは見つけるものじゃなくて作るものなんだっけ?よく覚えてないや。あなたからもらったもの全てを覚えてる自信はないけど、あなたの温もり、優しさにどれだけ救われたことだろうか。今度は私が、他の誰かにあなたの温かさをおすそ分けする番だね。
私…頑張るよ。
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