セックルドラゴン

@c00l

第1話

我は竜、気高き竜。

親は死に、我はただ一人。


確かに同種は居る。

しかし其れ等は弱き物。

我が声をかければ怯えて尻尾を縮こませる。


そのような奴らと居ると、こちらまで弱くなった気がする。

故に我は一人、孤高の竜。


世界で最も高き山に棲み、穏やかな眠りの日々を過ごす。

寿命もなく、敵もなく、ただただそこに在るのみ。

それが我の役割、それが我の存在意義。


そう思い、眠りに付いてから数十年。

人間の雌が、我の前に現れた。

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