イエローカード

(金曜、バレンタインの夜。いつものカクテルバーで)

吉野「(岡崎の肩をぐいと抱き寄せ)お前、今日は何の日かわかってんだろうな……ぶっちゃけチョコとかいらねーんだよ、お前がいれば。

 今夜は都合悪いとか間違っても言わせねえからな」


岡崎「(鋭く吉野を睨む)……はあ?

 何だその傲慢な態度は。バレンタインだかなんだか知らんが、そういう態度の男にやるものなど一切ない。反省したら今すぐ謝れ」

吉野「は?今俺の言ったことのどこに謝る要素あんだよ?このド直球な愛の告白を受け取れねーってのか?」

岡崎「そんなクソデッドボールは愛の告白とは言わない。身勝手な欲求の押し付けだ。

(ふうっとため息をつきつつ)……やれやれ、イエローカードだな」

吉野「何だよ、イエローカードって」

岡崎「そのままの意味だ。最近のお前の鼻持ちならない傲慢な言動が、イエローカード1枚目に値するということだ。

 あと1枚出たら、お前と縁切るぞ」


吉野「…………へえ。そんな勇気もないくせに。

 出せるもんなら出してみろよ」



(二人、ぎりぎりと険悪に睨み合う)





リナ「…………って夢を、昨日タイミング悪く見ちゃったのよぉ〜〜〜全く夢見が悪いったら!!

 あなたたち、まさかこれが正夢……とかいう状況になってないわよね!?(青ざめてオロオロ)」


岡崎「……(リナへ向けて美しい微笑を浮かべ)リナさん、ご心配なく。そもそも俺はイエローカード2枚も持っていませんから。そんな発言しやがった日には、即レッドカードです。なあ吉野?」

吉野「…………(ジロリと岡崎を見て)へえー。

(すっと爽やかな笑顔に切り替えリナを向く)リナ、心配ねえぞ。こいつのレッドカードなんか、一瞬で引っ込めさせる方法知ってるからな。そうでもなきゃこんな気難しいやつと付き合ってねえっての。だよなあ岡崎?」


岡崎「…………(ギロリと吉野を睨み返し)ほおーー。」



(二人、何かギラギラと見つめ合う)



リナ「…………

『ま、まあ、多分大丈夫……なのよねっ!!??』」



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