愚痴る理由

岡崎「ほら、ビール。ホタル族はタバコの度にベランダ出て面倒だな」

吉野「お。サンキュ。いや、たまには外の空気吸わないとな」

(夜空を仰ぎ二人でタブを開ける)


吉野「——あのさ。俺、思い出したんだ」

岡崎「何を?」

吉野「俺さ、高校ん時くらいまで、彼女にフラれる度にお前んとこに『フラれた〜』って愚痴言いに行ってただろ」

岡崎「ああ、そうだったな。やっと新しい彼女ができたかと思うとすぐ戻ってきて、クラス違うのに呼び出されて。鬱陶しかった」

吉野「はは、まあそうだろうな。

……なんで毎回お前んとこ行ってたのか、今になって気づいた」


岡崎「…?」

吉野「お前、俺が愚痴ると『いつものことだろ』って、軽く笑って受け流してさ。

その時の、お前の笑顔が見たかったんだよな。

それ見ると、やっと安心して……その度に思うんだ。やっぱりここがいいって」


岡崎「…………

(一気に赤くなり)何だそれ。意味がわからない」

吉野「(ぷっと吹き出して)俺もよくわかんねー」



リナ「……(うちのベランダじゃなくて、どっちかの部屋でやればいいのにねえ…♡)」





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