第2話 独立してよかったと思う?
「なあ、理沙、日本から独立して佐賀国になってからやっと一ヶ月が経ったけど、独立してよかったと思っているか?」
「何よ、鍋島君、あまりにも今更過ぎない? その質問……聞くんなら、私が独立宣言する前に言ってくれないと、どっちにしたって今更引っ込みがつかないよ」
「後悔しているのか?」
「わからない……だって、大統領なんてやったことないから、後悔しようにも、今がいいのが悪いのかもわかりゃしない……そうじゃない? ま、やるしかないって事よ、後悔しようがしまいが、やれるところまでやるしかない! だって、独裁者になるって決意したのは私だもん」
「そうだな、意外と腹が座っているんだな」
「腹が座る……うーん、どっちかっていうと覚悟を決めたって感じかな、腹をくくる? っていうのかな?」
「腹はくくれないからな……腹を決めたってことだろうけど、見直したよ」
(ムカ)「褒めるかけなすかどちらかにしてくれないかな! いや、そういうと必ず鍋島君はけなすから、褒めて! と言っておく」
「あ、ああ……ところで、これからどうしていくつもりだい? この佐賀国を……
「黒幕が何言っているのよ。私なんか、英章先生と鍋島君がいなかったら、何もできていないわよ。ほとんどの筋書きを考えたのは鍋島君でしょう? これから先の事だって、いいいいっぱい頭に詰まっているくせに」
「まあ、否定はしないが、『独立する! 私は良い独裁者になる!』 って言いだしたのは理沙だろう。俺はその方法を考えただけだ。やったのはおまえだ。言うは易しって言うだろう? 行動は噓をつかない。やった奴が偉いんだ」
「ありがとう……素直に喜んでおくよ……そうね、これから先の佐賀国ね、まずは、とにもかくにもお金を稼がなきゃね、お金がなきゃ何にもできない、それこそ、言うばっかりになってしまうわ。佐賀国の通貨S《エス》の価値を上げなきゃね。
「もっともだ」
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