第217話 休養中.1
朝、やたら寒くて目が覚めた。
どんなに布団を被っても寒くて、何でこんなに寒いんだと目を開けて、寒さが強い方向を見ると。
「へっっ!!?」
カリアの上に雪のようなものがこんもり。
「うおおお!!!カリアさーーーん!!!」
目の前の異常に慌てて飛び起きた。
あの雪は、精霊達が高熱を出してるカリアを心配して運んできたものだったらしい。
オレの声で同じく飛び起きた二人と一匹で慌てて雪を掘ってカリアを救出したのだが、悪魔の攻撃かと一瞬思ってしまった。
それを朝御飯を運んできたクユーシーに報告したら、「…良いことって、そういう意味だったの…」とよく分からないことを言われた。
でも、そのお陰か。
「んーー~、凄い体が軽いわぁー!」
カリア、全快。
すっかり熱が引いて、顔色も良くなっている。
よかった。熱が悪化しなくて。
「今日はどうしますか?怪我の治療もありますけど、昨日ので魔物も一掃出来たので自由に動けますよ」
「アタシは服を買うわ」
真剣な顔のキリコ。
「オレはどうしよう」
特に決まっていない。
リューシュの尻尾が亀裂を防いでいる為、魔物が出てこられなくて停戦中だとか。もう尻尾退かさなくてよくね?そう思ってカリアに言ったら、「ヒビは残しておくと広がるんよ」と言われた。そうでした。
「何かあったら連絡ください」
そう言い残してクユーシーは去っていき、代わりにエルトゥフの医者がやって来た。
「ライハもう動けるば」
医者に火傷の治療しているアウソが、何事もなく動き回っているオレを見て驚いている。昨日全く歩けないほどに動けなくなってたから無理もない。
「うん、怠さはあるけど、動けるわ。慣れたのかな?」
「魔力欠乏って慣れるもんだっけ?」
「オレ常に魔力欠乏状態続いていたから、今回も慌てて体が対応してくれた説」
「ああ、なるほど」
アウソ、納得。
適当に言ったけど、案外当たってるかもしれないからな。
「もしかして出掛ける?」
「そーだけど」
「俺も行きたいからちょっと待っててくれんか?」
「いいよー」
なら、アウソの治療が終わるまでネコと遊んでおこう。
「いってらっしゃい」
カリアがベッドに座りながら手を振った。
今回カリアは体を酷使し過ぎたので、大事をとって確り休むことにしたらしい。熱は引いたけど、足の火傷はまだ治っていないもんな。
ちなみにキリコさんは服を調達するために既にお出掛け中だ。
「行ってきまーす」
「行ってくるさ」
ということで、二人と一匹で出発。
さて、何処に行こうか。
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