第124話 長からの依頼
ドラゴン、ジュノでいう
ジュノは世界樹信仰で、神にも等しい世界樹の根本で大暴れされては(絶対に折られはしないけど)心配でお腹が痛くなる
おまけに竜はたまに火を吐くらしく、森が燃えている。幸いにもジュノは朝は霧、夕方は雨が降るので被害は小さくて済んでいるものの、既に神殿の一部が焦げ、蜥蜴の獣人の集落が一つ消えた。
住人はいち早く逃げ出したので死傷者はゼロだが、いつ竜が移動してこちらに来るかも分からない。
出来ることならば竜が暴れている原因を突き止めて何とかしてほしい。
というのが、長からの依頼であった。
なるほど、これジュノ語が分かる者(アウソ)のみならず、ドラゴンに詳しい者(キリコ)いないと詰む依頼だったかもしれない。
「必要なものはこちらで出来る限り用意する。世界樹の為だ。協力は惜しまない」
「分かりました。では早速その竜の様子を見に行きましょう」
「頼む。トルテ、行きなさい」
「ん!」
トルテがやって来た。
「それでは案内する。付いてきて。トゥリア “フーリャ シヤ グ” ディニー ルヒゴロウキ フーニャビョギュ!シキョ ケミョ!」
トルテが周りに向かって何か言ってる。
「なんて?」
アウソに聞いた。
「これから世界樹にこの人等連れてくから誰か付いてこいって言ってる」
「ほんと凄いなお前」
あのスピードを聞き取れるのか。
三人ほど槍つきで付いてきた。
男(猫)男(猫)女(蜥蜴)。
正直な気持ち言って良い?男の猫耳特に嬉しくない。あと、なんか知らんけど蜥蜴系の女性が綺麗な人多いのなんで?いや、猫系も可愛いけど、何て言うか、ミステリアス的な?
もう一度見る。
わかった、向こうの西洋人とのハーフっぽいんだ。
「ライハ、ライハ」
アウソがスススと近付いてきた。
「お前にだけいい情報を教えてやる」
「なんだ?」
やけにシリアス的な空気を醸し出しながら切り出すアウソに自然と声が小さくなる。
「人魚な、みんな揃って吃驚するくらい美女揃いだから」
「まじか。その情報さらに詳しく」
「ああ、後で詳細に教えてやろう」
なんで突然人魚の話をし始めたのか分からないが、貰える情報は貰っておこう。
そんなオレ達の話をカリアとキリコは半分呆れ顔をしながら聞いていた。
そんな感じで八名で移動しながら土地の話をしてもらった。本当に細かく教えてもらってあれなんだけどさ、他の所と見分けがつかない。
オレだけ?
獣人達はどこで見分けてるの?
「もうすぐ着きます。ククは黒色で、赤い斑点あります。火を出すので、注意です」
トルテの言葉で全員頭上にはてなが浮かぶ。
おかしい、ザラキから聞いた話では黒地に赤の斑だったはずだが。
「結構焦げてるね」
カリアが辺りを見渡しながら言う。辺りの木々が所々炭化していた。
「この辺り、火で燃えて、消えました。えーと…」
トルテが言葉に詰まった。
「…ツォ キャ ハドゥツァ。通訳頼む」
「竜巻」
「それ、火の竜巻出て、危険でした」
火炎竜巻はやばい。
通常の竜巻でもヤバイのに炎の攻撃力アップした火炎竜巻は死者が多数発生するとても危険なものだ。
どんな竜だ。原因突き止められるのか。とモヤモヤしているうちに黒い森を抜け、目の前に黒曜石で出来たかのような真っ黒な壁が現れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます