この作品の主人公は、自身の弱さ故の行動がすべてを引き起こした、というように考えています。
しかし、現実として、それはすべて主人公の弱さ故ではなく、周囲の人たちも同じだけ、どこか弱かったのだと、私には思えました。
保身に走る事は、弱さでしょう。
一方的な行動、悪意も、弱さでしょう。
この作品にあるのは、「人間の弱さ」です。
ですが、私はそれ自体に罪があるわけではないとも感じました。
人は弱い。だからこそ、主人公のような人間も生まれてしまいます。その、「弱さ」に対する、「逃避」や「強迫観念」こそが、主人公に行動を起こさせてしまったように思いました。
とても考えさせられる作品で、私は好きです。