雪恋

僕達の隣の家には死が住んでいる

正確には死神

誰しもがそうだ

明日、隣家に住む死神がインターホンを鳴らして迎えに来るかもしれない

玄関を開けて、気が付いたら家に招き入れている

それが死ぬということらしい

死んだら人は星になると何かで読んだけれど

星になんてならない、多分

きっと、雪になった魂を星と勘違いしたせいだよ

君は言った

人はやがて死を迎える

春でも、夏でも、秋でも、冬でも、季節に関係なく人は死ぬ

死んだら星になるといった人は

夏に誰かを失った記憶を言っているのかもね

夏は銀河が良く見える

自分は冬に死ぬだろうとそういった、君

私は死んだら雪になって、雲になって

また雪になる

もし、私が隣人を家に招き入れてしまった時は

冬にだけ私を思いだして

夏の間は私のことをきっぱり忘れて

そうして、雪が降ったら

私を思いだしてちょっとだけ泣いて



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