季節

季節が巡ってくればいいのに

そうしたら、服も言葉も全部自由だ

ある日、時計屋が来て季節を止めてしまった

季節を楽しむ余裕のない一部の人たちが

例えば、着る服を選ぶ手間とか

季節に合わせて言葉を変えることを疎ましく思う人たちが

私たちの季節を止めてしまった

それが罪であることも知らずに

季節はもう巡っては来ないのだろう

時計屋は遠くに行ってしまったのに

季節がいつまでもやってこない

私たちの心から季節という概念はなくなってしまった

季節を止めてしまったことよりも

私たちの心から季節が無くなってしまったことのほうが

貧しかった

罪だと思った

バイバイ、ふるさと

私は季節を探しに旅に出る

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