彫刻家

私ね、恋人ができたら彫刻家になりたいの

恋人ができる前に何をして居たのか、それは秘密

子供の頃は、人の心は氷とか、木とかで出来ていると思っていた

あなたの心が木とか氷とかで出来ていればよかったのに

そうしたら、私が刃物であなたの心を削りとれたのに

もしも、心が削れる素材で出来ているのならば

その欠片をもって

生きていける気がする

想像したくないけれど、

私とあなたはいずれ別れる

生きていればいずれ、死ぬ

生物の常識だから

だから、せめて

私はあなたの心を削り取って

持って居たいなって思うの

いつか、人の心は氷や木になるのかしら?

そうなるならば、たまらなく嬉しい

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