罪滅ぼし

竹で出来た虫かごを見つけた

組み立ててボンドでくっつける

それだけ

風通しがよさそうで

何も入っていなくても

存在感がある

まるで、障子の隙間から臨終の瞬間を見ているようだ

かごの中は、何かあるのではないかと期待してしまう

きっと、この中には透明な虫がいるのだろうと思う

声も聞こえず

姿も見えない

虫かごは窓のそばにおいて

いつも入口を開けておかないと逃げられなくて

いずれ死んでしまう

昔、バッタとカマキリを一緒のかごに入れて

罪悪感を感じたから

今度は上手に逃がしたい

罪滅ぼしにもならないと思うけれど

明日もかごの入口は開けておく


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