高架下にぽつりと立っているバスの停留所は

一度は乗っておいたほうがいいと君は言った

あれは、とても美しいものだから

そして、人類が滅んでもその美しさは残るものだとも言った

諸々の世界遺産とか

一回は見ておきたい絶景は人類が生きているときに見るべきで

人類が滅んだ後に見るべきものは

高架下のバス停らしい

錆付いた時刻表とか

もう永遠に来ないバスを待つ感覚は

宇宙が誕生する感覚と似ているともいう

きっと、君は人類が滅んだあとも

二度と来ないバスを待ちながら

空を見ているのだろうか

その頃には、銀河同士がぶつかって空は凄いことになっているだろう

もしも、僕が生きていたら

君と二度と来ないバスを待ちながら

ジュースでも飲んで笑っているのだろうと思う


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