積乱雲

昔、神様に生まれ変わったら何になりたいか聞かれた

僕は冬になりたいといった

そうして、愛する君は

夏に生まれ変わった

君を見るたびに冬が来ないのではと錯覚する

君は僕の存在を忘れさせる

本当は積乱雲になりたかった

でも、その言葉がどうしても思い浮かばなかった

積乱雲って言おうとすると

どうしても噛んでしまう

愛というのは重いものだと思った

世界中の人が夏を求めているのかもしれない

夏は短いし

尊い雰囲気がある

だから賑やかだ

それが好きって言って、すべてを愛している君が

美しいと感じた

もしも、この世界に人間がいなくなって

夏が賑やかでなくなったら

僕が積乱雲になって

君のそばにいてもいいかな?

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