羽が生えた時の痛み

羽が生えた時の痛みを知っている

元々羽なんてないから

皮膚を突き破って出てくる翼の痛みに耐える

ある日突然生えたのに抵抗はない

心のどこかでそう望んでいたのだ

私のものだと

私の生き方なのだと

窓から飛んでいってしまった者たちを知っている

その先は知らない

死んだのか

生きているのか

どこかで休んでいるのか

でも、羽が生えた以上は飛びたい

靴を脱ぎ

羽が出るように服を切り取って

飛ぶ

体を走る痛みとか

奇異の目つきだとか

そういうのを全部忘れて

飛びたい

地面で傷だらけになる前に

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