起こるのは

山本 風歩

起こるのは


「何でこうも毎日がありきたりな事ばかりなの。何でもいい、何かいつもと違う事はないかしら。」


「そんな事起こるわけないじゃないか。もし、何かいつもと違う事が起こるとしたら、そんなのは悪い事だらけさ。」


「…なんてちっぽけな世界なのかしら。このままきっと、私は幸せか、不幸せかも分からないで人生を終えるのね。」


「そんなことを気にするなんて、君はおかしな人だね。世界を見ると君はきっと、羨ましいって言われてる。結局は人間はみんな無い物ねだりなんだ。」


「そうかもね、でも期待してしまうの。奇跡って素敵な言葉だと思わない?私も起こしてみたいわ。」


「君が感じないだけで、君にとってはつまらなくちっぽけなものが、すごい奇跡を起こしているかもね。ただ…勘違いしちゃいけない。人は悪い奇跡も起こしてるってこと。」


「奇跡に悪い事なんてないわ。」


「あるさ。例えば交通事故、あれは奇跡だ。誰も怪我したいなんて思ってないし、死にたいなんて思ってない。悪い奇跡はみんな奇跡と思いたくないのさ。」


「………。」


「思い出して。小さくても、悪い奇跡は少なくない。」


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起こるのは 山本 風歩 @Fuaru

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