3日目 秘密の花園で会いましょう
-1-「不自然な空模様」
①
「なあ‥‥。いったい、ここは
スポーツ刈りの少年が
疲れ果てているヒカルは「わからない」と
これまで長い距離を歩いてきており、
一方ヒカルの反対側の木に寄り掛かっている少女‥‥ナツキは辺りを見回して、
「もう‥‥。トッティは
昨日と同じようにペット《トッティ》の
ヒカルは改めて
木々と名も知らない草々が
何の気なしに上空を見上げると“真っ白な空”が広がっていた。
雲に
これほどのっぺらとした
そして、この不思議な空間からヒカルたちは何処へ進めども戻れども抜け出せないでいた。
そう、あの“陽無の森”に
ここが現実の世界とは別の世界だと
ヒカルとナツキ、そしてもう一人の少年。
三人が異様な世界に居るのは、当然魔女が
ここに来てしまった
***
始まりはトッティ探しをした翌日。
午前十時頃に、ナツキがトッティを連れてヒカルの家にやって来たのである。
「ヒカル、おはよう!」
「おはよう‥‥どうしたの? こんな時間に家に来るなんて?」
「昨日のことを聞きたくてね。本当はもっと早く来たかったんだけど、さっきまでグッスリと寝ていたのよ」
「ああ、それで今日のラジオ体操に来てなかったんだ」
ヒカルは昨日の疲れがまだ残っていたが、目覚まし時計で
ナツキが寝過ごした理由に魔女の魔法で眠らせたのも少なからず影響が有るのではと心の
「まぁね。それで
「あ、魔女さんはね‥‥」
ヒカルが朝起きた時には
魔女の行方を母に
「え、どこかに出掛けているの。それで、いつ戻ってくるの?」
何処に出かけたのかわからないのに、いつ帰ってくるなどわかる訳がないと首を横に振るヒカル。
「わかんないか‥‥そうか。だったら、ねぇ。魔女さんを探しに行きましょう!」
「え!?」
「ここで待ってたって時間が
「う、うん‥‥」
ナツキの積極的な頼みにヒカルは思わず
「よし、決まり! それじゃ、行きましょう!」
そう言うや
「それでナツキちゃん。魔女さんを探すにしても、どこを探すの?」
「うーん、そうね‥‥。魔女さんが行きそうな場所を探すしかないんじゃない? ところでヒカル。なんでそんなに離れているの?」
「だ、だって‥‥」
ヒカルはナツキから二メートルほど離れた後ろにいて、視線をトッティの方を向けた。自分が犬を苦手になった張本“犬”を目の前にして、ヒカルは身をすくめている。
「相変わらず苦手なのね。昨日はトッティよりも
「あれは‥‥。てか、あれもトッティじゃん!」
「ああ、そうね。だけど、なんでトッティがあんな化物になったのかな。あ、そうだ。ねぇヒカル、昨日のゲーム機を貸してくれない? あれがあれば、トッティと話せるでしょう!」
「あれは‥‥」
ヒカルは力無く、昨日の出来事によってゲーム機が昨日のトッティキメラによって
「あ、そうだったの‥‥。ご、ゴメン。あの時、夢中で‥‥」
「うん。まぁ‥‥あの時は仕方なかったよね‥‥。うん‥‥」
「ご、ゴメンね」
両手を合わせて、
大切な物を壊されたら普段大人しいヒカルもナツキ相手でも
ちなみにボロボロになったゲーム機を
『まぁ、魔法で直せると言えば直せるけど。今日はクタクタだから、後日ね~』
軽く後回しにされてしまった。
「だけど、あれがあればトッティに魔女さんの匂いとかで探させようとしたのに」
「トッティって、警察犬みたいなことできるの?」
「ヒカル知らないの? 犬って、人間の何百倍も鼻が良いんだよ」
「それは知ってるけど、それは訓練された犬しか出来ないよ、たぶん‥」
二人は話しながら昨日のトッティ探しと同じように辺りを見回しながら進んでいく。
「だけど、どうしようか? あの
「そんなこと言われても。そうだ、とりあえず昨日の排水口に行ってみる?」
「え、あそこに? どうして?」
「魔女さん、あの後もあそこが気になっていたから、もしかしたら調べに行っているかも‥‥」
「なるほどね。それじゃ、さっそくそこに行きましょう!」
思い立ったが
「あ、待ってよ。ナツキちゃん!」
ヒカルもその後を追いかけていくが、ただナツキの足は早く、トッティもナツキの後ろを追いかけるほどで
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