いまだなほ裸眼なれどもくもりなき目で見ることぞあたはざりける

【読み】

 いまだなほらがんなれどもくもりなきめでみることぞあたはざりける


【語釈】

 あたふ(能ふ)――①可能の意を表わす。できる。②なるほどと合点がゆく。理にかなう。③程度、状態などによく合う。適合する。相当する。[参考:精選版 日本国語大辞典]


【大意】

 いまだなお裸眼の身のうえであるが、曇りのない目でものごとを見ることこそできないのであった。


【附記】

 マスクをつけていると眼鏡がくもると聞くが、裸眼なら現実がありのままに見えるかというとそうでもないらしい。自分がものごとに対していだく第一印象のたぐいの当てにならないことはどうしようもないと思う。

 当サイトで開催された「カクヨム誕生祭2021」(通称「kac2021」)の題のひとつに「直観」があったかと思う。経験の積みかさねが直観力となって結実する旨をプロ棋士の羽生善治氏が述べていた記憶があるが、ひとえにわが身の経験不足が思いやられる。

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