第3話 8/2

「離職票・・・ですか?」


「そう、離職票は必要です」


とあるハローワークでのこと。


失業保険をもらうために、派遣元に離職票を催促していたのだが、昨日やっとそれが手に入り、


『これで何とか食いつなげる。』


そんな心持ちで、本当に、ぎりぎりの中のほんのわずかな安堵を求めて、訪れた先の


担当者の一言に、言葉を失った。


説明の内容は、こうである。



前職の勤務期間が、

10ヶ月、

受給要件を満たすには、2年間の間に12ヶ月働いていることが必要で、

前の職業の期間は足りないが

これに関しては、前の前の仕事で4ヶ月働いていたから大丈夫・・・


と思っていた。



ところがである。


その前の前の離職票も必要だったのだ。


本日は、8/2

お金がもらえるのが

9/1か

そのあたり


もらえるお金は少ないが

必死に貯めた崩したくないお金を

足せば、なんとか、なんとか持ちこたえると思っていた。


そのデッドラインが、9/1付近。


この時点で、プランが崩れた。


前の前の会社に、すぐ離職票をもらえるか聞いてみた。


離職票が当日もらえれば、なんとか、なる。


しかし、社会労務士に発行してもらわなくてはいけなく、それが1~2週間かかるらしい。


1~2週間!


目の前が、真っ暗だ。


その会社の担当者が言うには、在籍証明書であれば、すぐ出せるらしいということで

ハローワークの担当者にそれが可能かどうか、聞いてみたらということだった。


そこに、一縷の望みをかけたのだが、もろく崩れ去った。


離職票がないと、だめ。


ああ~~~


すべてのプランは崩れ去った。


幸せになれないのか?


死ねというのか?


なんで、前の仕事で、とんでもないモンスターからやっと解放されたと思ったのに、どうやって生きて行けというのか。


もう希望も何もない。









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