終の景色【アメリカ】
アメリカ西部に住む女性は、連日奇妙な夢を見ていた。
狭く、汚れた浴槽。
そこに横たわり、カビで黒ずんだ天井を見上げている。しっかりと蛇口をひねっていないせいか、シャワーから時折水が滴る。足首にポツッと落ちてくる水滴は、全身をぞわりと冷たくする。
毎晩のように同じ夢を見るのだが、全く見覚えのないその浴室を不思議に思っていた。
それから1週間ほど経ち、彼女は遠方で一人暮らししている長女の死を知らされた。警察からの連絡では、長女は浴槽の中で仰向けに倒れて死亡していたという。
すぐに長女の暮らしていたアパートへと向かう。
果たして、そこで彼女が見たものは――
狭くて汚れた浴槽、カビで黒ずんだ天井、ポツポツと水滴を落とすシャワー。
それは夢で見た景色だった。
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