妹のブラコンが異常な件についてちょっときいてくれないか。

我琉 澪

プロローグ


 俺は、貧しくもなく、かといって裕福でもない、ごくごく普通の家庭で育った。家族もみんな仲が良く、世間一般的に言えば、幸せな家族だと思う。


 今の仕事はフリーのウェブデザイナー兼カメラマン。時々イラストの仕事もやっているが、名を名乗れるほどではない。名前の伏せてちまちまとやっている程度だ。

 今の仕事が安定してきて何とか生計を立てられるほどになったばかりだ。生活は裕福とは言えないが不便はしてないし、それなりの生活を送っている。俺自身満足している。だから、どうやって金持ちになってやろうとかは考えたことはない。


 ちなみに、彼女無し、独り暮らし、独身である。趣味はこれといって特にない。いろいろやってみるものの趣味といえるようになるまでハマることができないことが小さな悩みの一つでもある。


 俺は、拘束されるのは好きではない。昔から一人は好きなほうだったため、積極的に他人と接することをしなかった。どちらかと言えば、一人で本を読んだり、一人遊びに没頭していた。


 周りから見れば話をかけにくいと思わせてしまっていたのだろうと思う。だから、友人と呼べるのかわからない関係程度の人間関係しかできなかった。友人という存在ができたことがない。

 こんな俺だったが、幸いにも”いじめ”を受けることは一度もなかった。もしあったとしても、俺は他人に興味がなかったためにあまり気にしなかっただろう。何はともあれ、何も問題も起きず(とは言っても特にいい思い出があるわけでもないが)比較的平和に暮らすことができた。これからも、それなりに、幸せに生きていくのだろうと思う。


 そう、思っていた。


 アイツに出会う前までは。


 俺は、こんなこと誰も予想してないだろうことに巻き込まれる。



 俺は…平和に生きたいぞ。


 俺の…


 俺の平凡が帰ってくるのはいつになるのか。


 もう、平凡ちゃんが帰ってくることはないのか、、、そんなの嫌だ。


 まるで、おもちゃを買ってくれない親に縋って泣きつき、まるで石のようにその場所から動こうとしない駄々をこねる幼児のような気分だ。



 あんなことに巻き込まれるなんて...。

 

 平和な日常が一変してしまうなんて...。


 これは、神様の気まぐれなのか、それとも俺は神様を怒らせてしまうような失態を起こしてしまっていたのだろうか…いつそんなことを?この俺が…?いや、そんなはずはない。なぜなら、この俺が目立つような発言も行動も生まれてこの方一度もないはずだからだ。とにかく目立つことを避け地味に生きてきたはず。もし、神様が出来心や悪戯で起こしたことならば、俺は神様を恨むぜ。



 俺の平和な日常を返せぇぇぇぇぇぇェェェェェ!!!!!!



 


 これは運命か、必然か、偶然か、それとも...



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る