第15話 トラ船長と氷の女王③~救出

「あわわ、どうしよう。助けに行かなくちゃ」

 その様子をマタタビ号のモニターで見ていたラットは考え込んでしまった。

「よし、いくぞ」

 ラットはエアバイクにのって、ふたりがいたクレパスに向かいました。そして氷の結晶を見つめていると、兵士に囲まれてしまった。

「女王様と話をさせてください」

「こいつも仲間だ」

 兵士たちはラットに冷凍光線あびせました。ラットもあっけなく冷凍人形にされ倉庫に放り込まれてしまいました。

「へっへっへっ、うまくいったぞ」

 ラットは全身を透明な耐寒スーツでおおっていました。凍結したスーツをぬいで、倉庫の中からトラ船長とボンタを探し出しました。エアバイクをリモコンで呼び寄せて、ふたりをマタタビ号に運びました。二人を冷凍庫に入れて、すぐにワープ航法でこの惑星から立ち去りました。

「フクロウ博士、ラットです。氷の惑星で船長とボンタが冷凍にされてしまいました。どうしてもどせばええでしょうか」

「確かマタタビ号の船尾に旅行用の冷凍睡眠カプセルがあったはずじゃ。そこに入れてから覚醒スイッチを入れればよいじゃろう」

しばらくして冷凍睡眠カプセルのふたが開き、ラットは二人に経過をはなしました。

「ありがとうラット、助かったぜ。マタタビ茶を飲んで身体を温めるよ」

 トラ船長はボンタとラットにもお茶をふるまいました。

「さあ帰ろう。ここは美しい氷の星で自然のままで立ち入らないのがいいと報告しておこうぜ。はっはっはっ」

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