第10話トラ船長と時間犯罪②~惑星K237の老婆

 トラ船長とボンタとテリア警部は惑星K237のある小さな町にマタタビ号で降り立ちました。あたりはもう、薄暗くなっていました。

「どうもこの建物の中にタイムトラベルのあっせん人がいるようなんだ」

 三人はうっそうとした茂みに囲まれた洋館の庭に入って行きました。明かりのともった部屋の窓には動いている人影が見えました。ボンタがドアをコンコンとたたくと黒ずきんを被った老婆が現れました。

「三人で時間旅行したいのですが。過去に戻ってみたいのです」

「ヒッヒッヒッ、よく来たねえ、いつに戻りたいんじゃ。多少金はかかるぞ」

 しかし老婆はテリア警部の腕時計を見るやいなや、扉を閉めて家の中に逃げ込んでしまいました。

「しまった。銀河警察の腕時計に気づいたようだ」

 三人が扉を壊して中に入ると、部屋には黒い服が脱ぎ捨てられて誰もいなかった。テリア警部はしばらく部屋の中を見回していました。

「ここだな」

警部が本棚を動かすと、地下に降りる階段が現れました。

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