第6話トラ船長と宇宙骨董市①~古い版木
トラ船長たちは惑星都市R-133で年一回開かれている宇宙大骨董市に来ていました。トラ船長とボンタはいろいろな店を見てまわって、掘り出し物をさがしていました。骨董市にはガメ船長やホワイトたちも来ていました。ガメ船長は古い腕時計や貨幣が好きなので、とくにいろいろな惑星のアンティーク貨幣をあさっていました。
「どうだい、トラ。この腕時計は変り種だぜ」
ガメ船長が腕時計の小さなボタンを押すと、時報の音とともにホログラムが大きく映し出されて緑色の奇妙な生物が数匹音楽とともに踊りだしていました。
しばらくすると、トラ船長はある店の前で版画の断片がたくさん入っている古い木箱を見つけました。
”古代遺跡の出土品。年代、場所は不明”と値札に書かれていました。
トラ船長が木箱の中を見てみると大小いろいろな形の版木が放り込まれていました。トラ船長は何個か紙に押してみて、店主にたずねました。
「おやじ、この版木はどこの惑星系のものだ」
「ふるい版木でどこのものかわかりません。あっしもよく知らない業者から仕入れましたんで。変わった絵や文字でおもしろいですよ。よかったらお安くしますよ」
トラ船長はまた何個かインクをつけて版木を紙に押してみました。
「どうしたもんか。ガラクタかも知れないけど、この変わった絵や文字がなぜか気になるなあ」
「トラ、これは何かの地図とメッセージじゃないか。お宝が見つかるかもしれないぞ。俺が買いたいけど今日は予算オーバーだ」
横で見ていたガメ船長があおってきました。
「うーん、店主。この木箱ごと全部もらおうか」
「ありがとうございます」
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