第2話トラ船長と二次元異星人④~ボンタもどる

 トラ船長がコントロール室のモニターで映画の画面を見てみると、画面のすみのほうで異星人たちが小型宇宙船に乗り込んで飛び去っていくのが見えました。さらに画面の中央ではボンタに恐竜の影が迫っていました。

「なんとかしなければ」

 トラ船長はコントロールパネルをいろいろ調べました。そして、画面にうつっているボンタをポインターでマークして、金色の大きなスィッチを押してみました。 

「うぁー、たすけてー」

 ボンタが恐竜の手に壁ぎわまで追いつめられた瞬間、影だけになりすぐにスクリーンから消え去ってしまいました。

 ボンタは気がつくと自分の観客席にもどっていました。

「今日の映画は本当に怖かったなあ。でも最後のほうは少し眠ってしまったけど」

 ボンタはなにが起こっていたのかよくわかっていないようでした。

「そうか、映画でよかったなあ。ハッハッハッー」

 トラ船長とラットとボンタは映画館”宇宙座”を出て帰っていきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る