第十四話『学校』
「す・・・すごい・・・」
「すごいじゃない!!」
とリオンとヒカルの二人は驚いていた。
「たまたまですよ!」
と僕は笑った。
などと謙遜しつつ、ゴーレム戦の決着がついたことにはホッとしていた。ほんとに勝てて良かった。ちゃんと鍛えないと今後がきつくなるな、と本気で思った。
いつまでも帰宅部意識でいると、いずれやられる。
と考えていると、お約束の、天の声が聞こえた。
<<タカシは『炎拳 - ファイヤーパンチ』を獲得した>>
<<タカシは『高速投擲 - ファストスロー』を獲得した>>
「あ、2つ、スキルがついた!」
と、僕が言う。
そういうこともあるのか、ゴーレムが強かったからかな?
そして僕だけのようだ。
「大事に使ってよね!」とニコが言う。
「あ、もしかしてとどめを刺した人がもらっちゃう仕組み?」と僕はニコに聞いた。
そうだったら、申し訳ない。
僕は止めを刺しただけで、もともと、倒したのは彼女達だ。
これについては、後で考えることにしよう。
合成で何かお返しできるかもしれない。
「必ずしもそういうわけじゃないわ!その確率が高いことは確かだけど」
とニコが説明してくれた。
「だから、タカシは自信を持ってもらっていいわ!なかなかかっこよかったし」
とニコが言った。
「え?」
と僕が聞き返す。
「いや!なんでもないわ!!今のナシ!!」
とニコが手をぶんぶん振りながら言う。
そんなニコの姿はなかなか可愛らしかった。
「ニコちゃん、わかりやすい」
と、ヒカルはニッコリと笑っていた。
と、そんなやり取りをしつつ
なるほど、そういう仕組みか、と思っていた。
スキル獲得者の選定は、貢献度みたいなものが関係しているかもしれない。
「ではでは、モンスターも倒したし戻りますかね!」
と、ヒカルはメガネをくいっと直して、皆に言った。
僕とニコが、スキルの確認をしていた、グラウンドのようなところのことだ。
「そうね!」
「うん」
とニコとリオンが言った。
そう彼女たちは、街の防衛任務をこなしているようだった。
何故彼女たちが、その役目についているのかは今後詳しく聞いてみよう。
それはそうと、彼女たちにはしっかりと、その才能があることは分かった。
皆が頼るわけだ。
そう、ただの少女達ではない。
スキルを使いこなし、しっかりとモンスター討伐が出来る、チームなのだ。
「さて、タカシ帰るわよ!」
「うん」
と、皆で、街に戻る。
そして、グランドがあったところに戻ってきた。
「教室に行きましょう!」
と、ヒカルがグランドに隣接している、建物を指差してそう言った。
「教室?」
と僕が聞く。
ここは、学校なのか?
確かに、グラウンドがあるし、建物もそう言われてみるとそれっぽい。
でも何故教室に?と僕が思っていると。
「そう、私達学生だからね!」
とニコが言った。
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