チート図鑑を埋める(仮)
アーモンド
No.0 取り敢えず勇者召喚!
どうもこんちは、佐々木です。
高校生やってます。はい。
え、バイト?やらないやらない。
だってめんどいし。
「…………国王、本当にコイツを?」
「選ぶと言ったら選ぶ!儂は国王ぢゃぞ!」
「申し訳ありませんでした」
臣下ベルフェスティオは困惑していた。
この国【王国ギルネー】では異常事態の際、異世界から勇者を召喚する法律が存在する。
しかし今回の選出は酷いものばかりだ。
ドジっ娘、ニート、ヲタクに面倒臭がり。
どれをとっても勇者には程遠いのである。
だがここは王国。王の言う事は絶対なのだ。
王はどうやらこのササキとかいう面倒臭がりに勇者をやらせたいらしい。
が、しかし!!
このベルフェスティオがいれば勇者など不要たという事を、王に解らせてやろう!!
一方ササキ。
バスに乗りながらネット小説を書いていた。
思いの外しっかりと見てくれている人がいて、【自分も必要とされている】感を味わうのが止められない。このササキが、唯一と言っていいほど熱中しているものだ。
自分の駄文で良ければ……などと言うものの内心嬉しく、レビュー数が増える度舞い上がって母親に連絡を入れてしまうほどだった。
そんなネット大好きなササキだったが、頭の中は常日頃ファンタジー状態である。
折角学校で成績ベスト8だの取っていようと、中々のルックスだろうと、その妙に乙女っぽいファンタズム脳ミソが邪魔してモテない奴だった。
だから、もしかしたら異世界転生したらモテるかななどと淡い希望を抱いていた。
そこに王は目をつけた、という訳だ。
王は勇者に望みのものを与えるかわりに戦わせる。win-winな関係で信頼を築き上げたい人なのである。
その為、最近召喚される勇者はヲタクばかりである。
『異世界でエルフのハーレム作りたい』とか『人外っ娘軍団作ってウハウハしたい』とか抜かす阿呆ばかりなのである。
ベルフェスティオはそれが許せなかった。
かつての様に強く逞しく、何より真摯に王に従う【真の勇者】について行きたかったのだ。
が、その希望は王に届かなかった。
『ササキよ……勇者として現れよ!!』
その日現代世界ではバスに乗車していた高校生の少年が忽然と消えたと、ニュースで騒ぎ立てる事となった。
(No.1に続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます