遠い夏の記憶

天使(あまつか)

第1話

夏になるとどこからか、ちりちりんと風鈴の音が聞こえてくる。のどかで過しやすいといえば聞こえはいいが見渡す限り田んぼや畑に囲まれ遊ぶ所といえば川や山の中腹にあるお寺の公園だ。お店も車で30分程行った所にしか無くお世辞にも住みやすいとは言えない。


そんなある日、私汐音(しおね)は幼なじみの優(ゆう)くん、咲良(さくら)、大輔(だいすけ)、葵(あおい)、翔太(翔太)といつもの様に公園で隠れ鬼をして遊んでいた。鬼は優くん。


「いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお…もーいーかーい?」


「「「「「まあーだだよー」」」」」


遊具の物陰や木の後ろ…各々鬼に見つからない様にうまく隠れているようだ。わたしは大輔に手を引かれ2人で高く生い茂った草の影に隠れている。


「「ろーく、なーな、はーち、きゅーう、じゅう!もーいーかーい?」」


「「「「「もーいーよー!」」」」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る