茶をひとつ啜りてあふぐ団扇かな

【読み】

 ちやをひとつすすりてあふぐうちはかな


【季語】

 団扇(夏)


【大意】

(熱い)茶をひとくち啜って団扇をあおぐのであった。


【附記】

「啜る」は冷たい飲み物には使わないイメージがある。寒がりのわたしは夏場でも温かいものをよく飲む。


【例句】

 月に柄をさしたらばよき団扇かな 宗鑑そうかん

 すずしさや月ひるがへすぬり団扇 祐甫ゆうほ

 物おもふ暮や黄色なぬりうちは 才麿さいまろ

 世の中を投出なげいだしたる団扇かな 丈草じょうそう

 荷口とく奈良の団扇やほととぎす 木導もくどう

 団扇売る子をばねさせて蚊遣かやりかな 同

 手すさびの団ゑがかん草の汁 蕪村

 うす雲にうたや望まむ白うちは 召波しょうは

 蝿打つていささか穢す団扇哉 几菫きとう

 光琳がちどり啼なり古団扇 士朗しろう

 蜜言みつごんかほ見えすきつきぬ団扇 東皐とうこう

 寝咄の切間切間を団扇哉 一茶

 うつくしき団扇持ちけり未亡人 同

 寝て居ても団扇のうごく親心 作者不詳


 蝿一つ打ては山を見たりけり 一茶

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る