むささびや月のおもてに影走る

 むささびや月のおもてに影走る


【季語】

 むささび(冬)


【大意】

 むささびが滑空して、月輪にさっと影が走るのであった。


【補説】

 ひねりが足らないようだが、そうでもしなければ一生むささびの句を詠むことがないかもしれない。ちなみに、私はむささびが滑空するところを実地に見たことがない。のみならず、むささびとももんがのちがいをよく知らない。


【参考句】

 むささびとなりぬべうなり茶の羽織 素堂そどう

 水影やむささびわたる藤の棚 其角きかく

 むささびの小鳥はみ居る枯野かな 蕪村


 鮒鮓ふなずしや彦根の城に雲かかる 蕪村

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