浅ましさ翅の折れて飛ばぬ蝿

 あさましさつばされてばぬはへ


【季語】

 蝿(夏)――『花火草はなひぐさ』(1636年刊)に所出の由。


【大意】

 はねが折れて飛ばない蝿の見苦しさよ。


【補説】

 私の蝿に対する悪い感情がよく表れているように思う。


 清少納言(生没年未詳)の『枕草子』に見られるらしい物尽くしの文を意識した。

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