子の刻や月に守られて水浴びん

 こくつきられてみづびん


〔語釈〕

「子の刻」は、午後11時から午前1時までの由。

られて」は、見張られて。見守られて。


〔大意〕

 子の刻に月の見守る中、水を浴びるとしよう。


〔解説〕

 秋もまだ初秋であれば一年で最も暑い時期を含むくらい暑いわけだが、月の見頃の旧暦八月、九月ともなれば夜は多かれ少なかれ冷えることが多いだろう。そういう時期の真夜中に水を浴びるといったことで、修行僧のようなストイックな人物像を浮かび上がらせようとした。


 ちなみに「水浴び」は、泳ぐこと、水泳の意味で夏の季語とされるようだ。


〔参考句〕

 元日や家に譲りの太刀はかん 去来きょらい

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