恐依存

初夢なすび

第1話 馴れ初め

十五夜舞音じゅうごやまおんは明治初期から続いている神楽坂にある料亭の一人娘。


音楽高校で和楽器を専攻し3月に無事卒業後、実家の料亭専属の芸者の見習い「半玉はんぎょく」となる。


舞音が芸者を目指すようになったのには和楽器が好きな事もあるがもう一つ理由がある。


「もし君が無事に芸者になったら付き合ってあげる」


という和楽器の師匠からの言葉だった。


師匠の烏兎胡弓うとこきゅうは同じ専属の芸者だ。


美形で女性のような繊細さを持っている礼儀正しい男に舞音は一目惚れ。


すぐ告白し、貰った返事が舞音が芸者を目指したきっかけだ。


付き合い始めた二人は誰もが羨むくらいの仲睦まじいものだった。


しかし二人の仲は長くは続かなかった。


胡弓はDV男だったのである。


しかし最初からDVをした訳ではない。


最初は仲が良かったのだ。


DV男というのは付き合い始めてからわかるのである。

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