第72話お母さん! リズと合体しました!
「が... ...。がた・合体!?」
突如としてリズからセックスアピールをされ、若かりし頃のように慌てふためく。
『そう! あたしもそろそろ生身が欲しくてね』
「い・いや、まあ、いいけど... ...。あれだぞ! BBAの姿では絶対にやめろよ! 若くてプリプリでマシュマロプリンのような状態じゃないと絶対嫌だぞ! あ! あと、どうせならスク水のコスプレ姿で登場してください」
『あ? まあ、いいさ』
やった! BBAじゃないのと出来る!
流石に伊達に歳を取ってない。
ケツの青いガキとは違い俺の性的な趣向にも寛大だ。
そして、リズは何もない空間から若い頃のムチムチとした姿で金色の髪を右手でかき上げながら姿を現す。
現れたリズはスク水姿ではなく、現れた時と同じTHE魔女というような黒いロープに身を包み、右手には賢者が持つような身の丈ほどの大きさの木の棒を持っている。
「え!? スク水は!?」
近づいてくるリズに放った第一声はそれで、リズは歩きながら「あ? なんじゃそりゃ」と健全な男子の願望を一蹴。
リズは俺の前で歩みを止め、手を握り。
「よし。じゃあ、合体するぞ。目を閉じろ」
ええええええ!!!!!
何!? すごい積極的!
異世界の魔女ってみんなこんななのかな!?
出逢って5秒で合体というような素晴らしい企画はフィクションだと思っていたのだが、どうやら、現実にも起きるようだ。
急に手を握られ、年甲斐もなく俺は発汗。
右手からは少し肉付きのいいリズの手の平の感触が伝わり、俺の手よりも暖かい。
コバルト色の大きな瞳で見つめられるとまるで母なる海に戻るかのように身を任せたいとさえ思え、リズから漂う妖艶な香りに意識が遠のき、まだ、何もしていないのに昇天してしまいそうだ。
「や・優しくしてくれ... ...」
俺は頬を赤らめ、ゆっくりと目を閉じる。
「じゃあ、行くよ」
「はい... ...」
リズがその自身の恵まれた胸を俺に押し付けてきて、体温がお互いの洋服越しでもハッキリと分かる。
耳元ではリズの呼吸音が聞こえ、吐息交じりに零れるリズの何気ない声に全身の毛穴がぶわっと逆立ち、居ても立っても居られない俺は腕をリズの腰に回そうとするが空を切る。
... ...あれ? 腰の感触が... ...。
目を開けるが目の前には誰もいない。
先程まで感じていた匂いや柔らかく暖かな感触も気付けばなくなっていて、辺りを見回すが当然に誰もいない。
俺はまるで狐につままれたかのような感覚になった。
『おいおい。そんなに慌てるな。私はここだ』
突然、耳元でリズのドヤ声が聞こえ。
「ん? ああ。心の中にいんのか」
と瞬時に判断。
『いや、お前、状況飲み込むの早すぎだろ!?』
「だって、周辺には誰もいないし、何か展開的にそうかなって」
『あんなに合体するよって言った時は慌てふためいておったのに私が心の中にいるって状況はこんなに冷静なんじゃな... ...。童貞って怖いわ~』
「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうし!」
『おいおい。女を金で買っているようじゃ全然ダメじゃぞ。男なら口説いてなんぼ。お前の好きなエリちゃんって子もお金目当てだから早く身を引いた方がいいぞ』
「う・うるせえ! ババア! エリちゃんとは身も心も通じてる!」
強烈なBBAのOSETTUKAIを浴びせられた俺はBBAの発言を煙に巻いた。
しかし、ここである疑問が生じる。
そういや、何でこいつエリちゃんの事知って_______。
『そうじゃよ。あんたの事ならぜーんぶ分かる。あんたがこの世界に来てからの事や前に居た世界で体験してきたこともね。ははは! なっかなか! しょぼい人生を歩んできてるな! 少年!』
「いやあああ!!!!!」
心の中を覗かれるとはこんなにも恥ずかしいだなんて思ってもみなくて、俺はスカートの中を覗かれた小学生女児のように両の手で顔を覆いその場にしゃがみこんだ。
『まあまあ、誰にでも恥ずかしい事はある。あたしも伊達に歳は取ってないからね。その辺については寛大だよ。しかし、あれだね。あんた、人生の半分以上エロい事ばっか考えてるからもう少し落ち着いた方がいいよ』
とんでもない上から目線で人生のなにがしを語るBBAについてに俺の堪忍袋の緒も切れる。
「なんだよどちくちょう! 何でお前は勝手に俺の中に入って説教タレてやがんだ!!!! いい!? 男の子はエロい事しか考えてないの! 俺はまだマシな方! 俺の友達なんて脳ミソが生殖器なんじゃないかって思う程にエロい事しか考えてないんだから!」
この世に人の心の中を詮索してはいけない。
という法律があればリズは必ず実刑を受けることになる。
それも執行猶予も与えられない罪だ。
『分かった! 悪かった! ほら、後でおっぱい揉ませてやるから落ち着きなって』
「... ...まあ、俺も怒り過ぎたよ」
乳揉み一つで俺の怒りは収まる。
やっぱり、男の子って単純。
『ごほん』
リズは咳ばらいをして話を区切る。
俺の身体の中で咳払いされると不快だから後で注意しておこう。
『で、ミーレやレミーを救いたいって気持ちはあんたも変わってないね?』
「ああ。もちろん。ハンヌってやつの顔面に一発お見舞いするだけじゃ足りないね。オラオラしてやるよ」
『じゃあ、あたしも協力してやる。二人であいつをブッ倒すよ』
リズが戦闘開始の宣言を俺にすると、目の前の景色が収縮してまるで世界に出来た小さな穴の中心に俺も世界も吸い込まれていく。
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