おれと賢者のヒミツ捜査
多田七究
第一話 五人目の賢者
「
「ふん。
「多数の攻撃が同時に展開。対処が追いつきません!」
「
満月の光に照らされた、石造りの城。
周りを
城に、巨大な黒い鳥が迫る。そのモンスターは城の中庭を目指して飛行。
地上から発射された光を受け、上空で爆発した。
「なんとか
爆発の中から何かが落下していた。花びらと共に舞い降りる何かに、中庭の
攻撃をものともせず、白いローブの人物が、悠々と着地する。
短い
別方向から、光のヒモが二本伸びていく。気付いた
「客人として二名の
「さすがに
警備員は安堵した。白いローブの人物は捕らえられ、
夏。暑い。
おれは城の北側にある塔を目指していた。
普段着でもつらいぞ。腰に下げている、
「開けてくれ」
「了解です」
「
「いえ。申し訳ないのですが、決まりなので」
王国一の騎士であるおれの言うことが聞けないのか、とは言わない。
そして、ほとんどの人が
塔の中は
城も、塔も、一つの岩を
旧時代の失われたなんとか技法を再現して……詳しいことは忘れた。
「間違えたか?」
階段を登り切った先が緑で
柱が天井を支えていて、壁で
白い服で、髪の量が多い。うらやましい。
「知らなかったな。こんなところに――」
話しかけ、近付こうとすると少女が消えた。
小柄な
一瞬で移動したのか。なんのために?
「不用意に近づかないで。
言われてみれば、それっぽい光が見える。
助けてくれたのか。
「ありがとう。助けてくれて」
おれは、いつの間にか笑顔になっていた。
ずっと暗かった少女の目に、すこしだけ光が宿ったような気がした。
「何を聞きたいの?」
白い服の少女が
肩まである髪はまとまっていない。外見に
短髪のおれも似たようなものだ。
二人は立って向かい合っている。
とはいえ、ここは塔の頂上付近。
高い場所から周りを見渡せるが、ここを見ている人はいないだろう。
まずは名前、いや、自分から名乗るべきか。それも違うな。
「
「間違えていないわ」
「そんなこと言っても、おれには分かる。君は
少女の表情が、すこしだけ変わった。間違いないな。
「あなた、事件の資料に目を通したの?」
「見た。いや、全部は覚えてない」
大きく息を吐き出す音が聞こえた。暑いから仕方ないな。
「E」
「イー?」
「名前よ。あると便利でしょう」
「あだ名か。それならおれは、モーだな」
何か言いたそうなイーは何も言わず、少しだけ表情を
それは、これまで受けたどんな
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