オレは変わらない
君が何を言おうと、オレはかわらないよ。これがオレだから。
君が無理ばかりして、理不尽な事ばかり強いられても、それら全部が「自分」なんだからって、言ったように……。
オレも変わらない。
変わり続けるものが不変なのだと言ったね。
数えきれないほど、その瞬間はあったけど、やっぱりオレは変われなくて。
変わってく君をまぶしく見てた。
きっと心が麻痺してるんだ。
だって世の中は忙しすぎる。
人の心を、感動をいちいちかみしめていられないのと同じ。
哀しみも、後悔も、苦しみも。全部忙しさの向こうにある。
ごめんね。
オレの感情は「好き」の向こう側。伝えられないまま心の底にわだかまってく。
君が愛しすぎて、立ちすくんでる。
そんな臆病、ふりきってしまえばいいのに、遠いトラウマがそうさせる。
大好きだよって、のばした手を噛まれたらどうしよう? 君はアイツの犬じゃないのに。
拒絶されたらどうしよう?
不安がってるわけじゃない。強がってる自分が情けないだけ。
そうして閉じこもって、凍り付いた心を君という春風が溶かしてく。
それが、どこか慣れなくて。
ああ、君だけになればいい。オレだけの君になればいい。
そっと心がささやくけど、オレはオレ。
やっぱり変わらないんだ。
今わかった。君にそれを知ってほしかった。
伝えに行こう。
走って、くぐり抜けて、飛ぶように速く。君のところへ。
だけどああ。
夜の街並み。補導されちゃったよ。
END
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