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握られた手首が強く軋む。
先日、ずっと頑張っているんだけどどうしても開かないのとりんごジャムの瓶を渡してきた君は、僕が思っていたより力が強かったようだ。
「何でなの」
こんなに真っ赤にした顔を、僕は見たことがない。
閉じてしまいそうなほどに力が入り、なおかつ僕から視線を外そうとしない君の瞳は、涙腺が圧迫されているためか潤んでいる。
「なんで...なんでなの...」
刺さる視線が強すぎてこぼれ落ちる涙にさえ僕が写っているように思える。
うれしいね。
僕は僕しかいらない君しかいらないんだ。
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