2ページ

 

 よっ、お嬢さん。こんな所で何をしてんだい? 見ねぇ顔だけんど、ここのやつかい?

んん? なんだぁ? 返事も頷きもしないってぇ、随分とシャイなお嬢さんだなぁ。照れてんのかい?

はは、まぁおらは気にしねぇから、喋りたくなったら喋ってくれて構わねぇ。

 おらはこの辺に住んでるもんだぁ。大体いつもは畑とか海とか、なんかそんなとこで食いもん探してんだ。結構この辺はいいんだど? 野菜はうめぇし、魚だってちょっと市場んなか入りこみゃぁ、すぐに見つけられるしな。

 まぁ、今は冬だからそんなに簡単には見つからねぇけどなぁ。

 おめぇさん、良かったら今度つれてってやろうか。きっと気に入るに違いねぇ。

 そういやおめぇさんは何が好きなんだい? お、まだ答えたくねぇか? 

 分かった、おらが当ててやろうか。そうだなぁ、おめぇさん、真っ白で丸い身体をしてっからなぁ、白いもんが好きじゃねぇか? 

お、でも待てよ? 分かった分かった! 簡単じゃねぇか、おめぇさんニンジンが好きなんだな。だってぇよ、今もニンジン食べてるでねぇか! おらったらバカだなぁ!

ニンジンの季節になったらおらと一緒に畑にいこうな。

 それでよ、おめぇさん、見たところ鳥に見えねぇけんど、羽はどこにあるんだい? まさかこの小枝みてぇなのが羽だっていうのか? 

 へぇぇええ、おらは初めて見るけんど、変わった羽だなぁ。 ちょっと触らせてもらうど?

 お、おおお! すげぇなぁ! 本当に小枝みてぇだぁ! すげぇ! すげぇ!

 おめぇさんすげぇなぁ。おら、驚いたど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る