第7話
異世界十三日目
「お早うございます。目が覚めましたか」
起き上がると、ラティオから挨拶をされる。森の中の朝は、都市の周辺よりも少し涼しく、気持ちがいい。ゴンの姿が見えない。
「ゴンさんは、野草を摘みに向かいました。もう戻られると思います。スープの支度は済ませてあります。ゲンさんも今のうちに身支度を整えてください。鍋は私が見ています」
「済まないが、そうさせてもらう」
ハダスもガリーザも、各々で身支度を整えている。ラティオは当然、済ませてあるようだ。歳のせいか、昨日の疲れで寝入ってしまったようだ。交代で火の番をしたとはいえ、最後に起きている。その分、疲れはない。
用を足し、身支度を整えているうちにゴンが戻ってきた。手にビニル袋を提げている。
「みみ、三つ葉と、つつ、露草が、とと、取れたよ」
スーパーのビニル袋から新聞に包んだ山菜を取り出し、水で軽く洗い、ナイフで刻みスープに入れる。俺は、新聞とビニル袋をとっとと片付ける。
「昨日とは違う薬草かい。意外にいい香りがするじゃないか」
朝飯の支度が整うと、ガリーザとハダスも寄ってくる。
「朝カラ、アタタカイ、肉イリノスープトハ、ゼイタクダ」
ハダスは少し嬉しそうだ。尻尾が揺れている。昨夜と同じように、各自にスープをよそった後、鍋ごとハダスに渡す。熱くないのかとも思うが、平気そうだ。手の皮が厚いのだろうか。
「水は昨日のうちに、沢で補給してあるから心配はいらん。今日の予定はどうなるんだい、ラティオ」
「この中継地点から日陰の森までは、それほど遠くありません。これから向かえば、昼前には到達するでしょう。昼食は調査しながら取り、日が暮れる前にこの中継地点に戻ります。調査日程は今日と明日の二日間とします。三日目の朝、交易都市に戻る予定です」
結構こいつも底意地が悪いのかと思う。急に荷物持ちを依頼して、昨日と合わせれば合計で四日の調査日程となる。
普通ならば、それなりの準備が必要だ。たまたま、俺達二人の旅支度が整っているような状況だから良かったものの、そうでなければ、かなりきついことになる。俺の不満が顔に出ていたのを察したのかラティオが補足説明をする。
「ああ、日程に関しては、昨日の夜考え、今朝、三人で決めました。お二人の準備の良さと、適応能力なら問題ないと判断しましたので。あくまで、依頼主は私達ですのでその辺りの決定権に関しては、こちらにあると思ってください」
「ちなみに、荷物持ちとして使えないと判断していた場合はどうなっていたんだい」
「アシオー様の指示で雇いましたが、依頼料だけ手渡して、その場で帰ってもらうつもりでした。その場合は、二度と荷物持ちとして雇うことはなかったでしょう」
まあ、適応試験に合格点を貰えたというところか。昨日途中でへたばっても同じことだったのだろう。使えない奴は容赦なく切り捨てる。日本でも、大して変りはしない。ついでに、一つ疑問に思っていたことを聞く。
「ところで、ここは冒険者が日陰の森に行く中継地点と聞いた。その割には、俺達が居る数日前から使った形跡が見られない。ゴブリンが巣食っていたくらいだ」
ラティオの代わりに、スープを食べ終わったガリーザが答える。
「この中継地点は、最近使われることがなくなったのさ。冒険者組合が資金を出して、日蔭の森に向かう別の道筋に、共用の小屋を建てたから大体の冒険者はそちらを使うのさ。ここは、少し遠回りになるからね」
「今回は、お二人がここでゴブリンやオークに遭遇したと言っていましたので状況を見に寄りました。昨夜だけで、残りの日程は共用小屋を使ってもいいのですが、今回の調査依頼は、他の冒険者チームも受けていましたので、下手に混雑している所よりもこちらで野営した方が、気が楽かと思いまして、残りの日程もこちらを使うことにしました」
ラティオは、俺達に気を使ってくれたらしい。ドワーフとトロルのような風貌の俺達は、門前の事を考えても、騒ぎの火種になることだろう。
「それとここを、お二人の住処にされてしまうのも、ちょっと困ります。たまにですが、中継地点に使う者もいますので。できれば、最終日にお二人の私物は片付けてください」
ついでに、そう告げられてしまった。しょうがない。言われたとおりに片付けて、どこか別の場所に拠点を設けよう。
入ってみた訳ではないから分からないが、交易都市の中で過ごすだけでは、なにかと不便な気がする。というより、日本でも都市部だけで過ごしてきたわけではない俺達二人には、今のライフスタイルが性に合っている。まあ、とにかく今は、荷物持ちの仕事に専念をしよう。
「日陰の森」は名が示す通りの、日中でも薄暗い、深い樹海だった。大木が多く、人の手が入った様子はない、原生林に近いのであろうと思う。倒木や地面には苔が生え、シダ類が生い茂っている。
そんな中を、俺達二人はラティオ達三人の後を確実に追っていく。自分たちの荷物を背負いこみ、ラティオ達の荷物を肩から担ぐ。短刀やナイフは各自、腰に差している。棍棒と昨晩作ったスリングは、いつでも取り出せるように、背負子と一緒にまとめてある。更に、ゴンにはオークから奪い取った錆びた鉄の短剣を持たせている。切れ味は期待出来ないが、鈍器としてはまだ期待できる。
先頭はハダスだ。時に、地面に手をついて念入りに調べている。もしかしたら、狼のように感覚が鋭いのかもしれない。他の二人も周囲の様子を伺っている。スッとハダスが立ち上がり、森の奥を指差す。頭についた耳が動いている。
「コチラカラ、アシオト。蟲。タブン、蟻」
「数は判りますか」
「イッピキ。ダガ、蟻、ムレヲ、ヨブ」
「一匹なら、相手をしないで逃げきれそうかい」
「タブン、蟻、オレタチヲ、ホソク。ムリ」
その言葉を聞き、俺は棍棒に手を掛ける。ゴンにもそのように促す。荷物持ちとは言え、自分の身は自分で守らなければならないのだろう。
「いい心掛けだね。たまに、荷物持ちは守ってもらえるって勘違いする奴もいるんだよ。ただ、その棍棒で、蟻の類はぶっ叩かない方がいいよ。あいつらはの甲殻は固いから、その程度の棒切れじゃ、折れるのが関の山さ」
各々が、自分の得物を手にして身構える。ハダスだけは無手だ。背を丸め、低く唸り声を上げている。ハダスが指を指した方向から、徐々にガサガサと音がし始める。そして、シダの茂みから、黒い塊が姿を現す。
「『悪食』ですか。早く仕留めましょう。群れを呼ばれると厄介です」
悪食と呼ばれた蟻は、俺達が良く知る蟻と姿形は同じだが、大きさが余りにも違いすぎる。五十センチ位はありそうだ。歩きにくい地形をものともせずに、こちらとの距離を詰めてくる。
ガリーザがぼそぼそと口の中で何かを言いながら、杖を蟻の方向に向けると、突然地面が一メートル程隆起する。蟻は隆起した地面に身体を取られ、バランスを崩す。そこを素早く、ハダスが頭と尾の部分を上から押さえつけ、ラティオが各節々を剣で突き刺すように切断する。俺達がでる間もなく、蟻は処分された。
「悪食大蟻から取れる素材はありませんから、討伐証明を剥ぎ取り、このまま放置しましょう。蟻達は、匂いを辿って行動します。コレの匂いを辿って他の蟻が来る前にここを離れましょう。ハダス、次は竜の顎方面に向かいましょう。この調子なら、あそこまで足を延ばしても陽が暮れる前迄には戻れます」
ラティオはそういうと剣を鞘にしまい、ハダスに行動を促す。ハダスは頷くと、西の方に進みだす。俺はポケットに潜ませている方位磁針をちょくちょく見ている。
この樹海は、富士の樹海のように方位磁針が効かなくなるわけではないようだ。それにしても、でかい蟻だった。あれが、地球で見るような群れを作って襲ってきたら、ひとたまりもないだろう。それこそ、骨も残らないかもしれない。
途中で小休止を挟みながら、ラティオの言う「竜の顎」に向かう。進むにつれ、木々に紛れて、岩が多くみられるようになる。岩も多くが苔むしている。進む方向から、かすかに、水の流れる音が聞こえる。――そして、細い沢にたどり着く。多分ここは、
「この沢は、お二人が始めてゴブリンと遭遇した沢の上流です。ここを辿った先の渓谷が、竜の顎になります」
ガリーザが両手で水をすくい、顔を洗っている。樹海の中は涼しいが、それでも動けば汗をかく。さっぱりとした顔をしている。ハダスは沢の水、直に口をつけゴクゴクと水を飲んでいる。うむ、どうみても狼にしか見えない。
岩に生えた苔に足を滑らせないように、沢伝いに進む。途中でオランダガラシや、ワサビにセリが見受けられた。帰りにぜひ摘んでいきたい。荷物持ちが荷物を増やすのも変だが、後で、ラティオに頼もう。
竜の顎と呼ばれる場所は、鋭角に何度も曲がりくねった渓谷だった。デカイ口の間を通るように思ったのだろう。凸部は崖のような斜面で、硬そうな岩壁の地層がむき出しになっている。これが、牙のように感じる。
進んでいった先の狭い谷の間に、幾分か開けた場所が見える。大樹の葉が生い茂っているため、薄暗さは変わらない。ハダスが立ち止まり、ラティオを手招きする。ハダスの肩越しから先にラティオが目線を向け、険しい表情をする。
「……どうやら当りです。ゴブリンの群れが見えます。数が多い。ここからだと、全貌が見えません。もう少し、先で観察しましょう」
大きめの岩と岩の陰に隠れ、ゴブリンの群れの様子をラティオ達は観察する。俺達も岩のスキマからこっそりと様子を見る。大きめの石ころが転がる、川原のような場所で緑色の角が生えた猿――ゴブリン達が騒いでいる。
俺達が行きあった群れより、はるかにでかい群れだ。沢の近くにいるってことは、この沢で用を足していたかもしれない。
まあ、水は沸かして飲んでいたから問題はないだろう。先ほど、顔を洗っていたガリーザと、水を飲んでいたハダスには言わないでおこう。気にする玉ではないと思うが。ラティオ達は、各自が観察した結果の所感を話し合っている。
「ざっと数えても五十匹以上はいるみたいです。奥に、洞穴も見えます。私たちが寝泊まりするには、入口が低すぎるので利用したことはありませんが、ゴブリンなら問題はないのでしょう。奥がどのようになっているか分からないので、どれほどのゴブリンが潜んでいるかが分かりません」
「これだけの群れになると、ハイゴブリンが居るかも知れないよ。姿が見えないから、洞穴の奥で、雌共とよろしくやっているのかも知れない。ハイゴブリンは少しだけ厄介だよ」
「ゴブリン、ヨワイガ、数、オオイ。ヤッカイ。モドルガ、正解」
ハダスの言う通り、一旦都市に戻って、組合に報告をするのが妥当だろう。依頼の内容は『調査』だ。無理をして、少ない人数で駆除する必要もないだろう。
「ゴブリンは繁殖力が高く、大きい群れを放置するのは危険です。……が、我々だけの人数で、力が弱いとはいえ五十匹以上、最大数不明の群れに立ち向かうのは確かに危険です。ガリーザが言うように、ハイゴブリンは居ると思うのが正解です。ハダスの言う通り、都市に戻り組合に報告して討伐部隊を編成してもらいましょう。早速戻ります」
ハダスを先頭にして、来た道を戻ろうとするが、ハダスが立ち止まる。ラティオが怪訝な顔をして、問いかけようとする前にハダスが報告をする。
「ラティオ、マズイ、オークノ、匂イ。群レ五匹程、コッチニ、クル」
ゴブリンの群れに気を取られすぎ、オークの接近を許してしまったようだ。迂回するにも、斜面が急なため迂回しきる前にオークに見つかる可能性が高い。そうすれば、ゴブリン共にも気付かれる。
「ラティオ、お前達でオークに当たれ。俺達は、ここでゴブリンを食い止める。分け合って、俺達の荷物は捨てられん。構わずに行け。お前達の荷物は隠しておく」
「無茶なことを言います。荷物持ちだから、見捨てろと」
「全員が残る必要はねえ。俺達より、お前たちの方が組合の信頼が確実にある。それに『調査の報告』はお前たちの仕事だ。オーク五匹位、お前達ならどうにかなるだろう」
「お二人は、五十匹以上のゴブリンの大群を相手に出来るのですか」
「時間稼ぎはできる。ゴン、剣とスリングを持て。気を抜くな。確実に一撃で殺れ。ラティオ、議論は終いだ」
ラティオの肩を押す。三人は頷き、沢を下り始める。俺達は自分の荷を降ろし、ラティオ達の荷物は岩陰に隠す。棍棒とスリングを取り出す。石ころはそこらに幾らでもある。弾に不足はない。
「悪いなゴン。貧乏くじを引いた」
「……だだ、大丈夫だゲンさん。てて、手は抜かない。かか、覚悟は出来ている」
もし、日本に戻れた時に今の私財がなくなると、色々と困る。保護施設を頼るのは御免だ。俺は、今の生活が性に合っている。それでもやばい時、ゴンだけは最低でも逃す。殿は俺が持つ。
石をスリングの中央にしこみ、手に持つ。両手は皮ひもでグルグル巻きにしている。保護具の代わりだ。離れた所から、「ブオォ!!」と声が聞こえてくる。オークの叫び声だ。
向こうは、始まったようだ。ゴブリンが、声に気づいている。隠れていた岩から身体を出し、スリングを頭の上で振り回し、川原の中でゴブリン共が集まっている場所めがけて、投擲を始める。
ゴブリン達との距離はまだある。こちらに近づかれるギリギリまで投石を続ける。投石を当てるには慣れが必要だ。俺達二人は、日本の山で狩りをする時はこいつをよく使った。ホームレスの俺達二人は、猟銃の免許なんて持てないからだ。
ゴブリン共はこちらに向かってくる。だが、動きが直線的だ。突然、襲われて怒り心頭なのであろう。ある意味思うつぼだ。馬鹿だから、面白いように当たってくれる。
だが、如何せん数が多い。二人で十匹位にぶち当てたが、近づきすぎている。スリングを捨て、得物を棍棒に持ち替えた。ゴンは短剣を構えている。早速こちらに向かって飛び込んできた一匹の喉に向けて突きを喰らわす。「グボ」と言う声を出して、転がっている。
次に近づいてきた奴の顔面に向けて水平に打ち込む。いい感じで目と鼻の間にめり込んだ。グギャ、グギャ言いながら転がっている。邪魔なので、思いっきり首を踏みつぶすと静かになった。
棍棒にも、昨晩少し細工をした。ゴブリンの牙を先端に仕込み、蔓で巻いておいた。ゴブリンの討伐照明部位は角だという。牙に価値はないそうだ。ゴブリンの牙を仕込み、尖った分だけ、痛みが、攻撃力が増したはずだ。
再度、俺に飛び込んできたゴブリンの頭上からゴンが短剣を振り落とした。錆びて切れ味が無いが、ゴンの怪力のせいで頭に半分剣がめり込んでいる。もう一度剣を振ると、めり込んでいた奴が、向かってきていた群れの中央に投げ込まれた形になる。
ちらりとゴンの顔を見る。怯えはない。目が座っている。それでも実力の五割だ。だが、ゴンの五割は常人を遥かに超える。頼もしいことだ。
「「バアアァァァァーー!!」」
二人同時に威嚇の声を放つ。向かってきていたゴブリン共が、たじろいでいる。その隙に、こちらから距離を詰め手近な一匹の頭めがけて、振りあげた棍棒を叩きつける。
臭い血が飛び散る。いつもながら、こいつらの血は臭い。ゴンは、剣道のように連続して短剣をゴブリン共の頭上に振り下ろしている。割れたスイカのように、ゴブリンの頭が、一つ、二つ、三つと弾けていく。汚えスイカ割りだ。食えやしねえ。
しかし、数は減ったようには見えない。むしろ増えてきている。当然だ。洞穴から、わらわらとゴブリン共が湧いて出てくる。
(百匹は居るかも知れねえ)
そう思った時、他のゴブリンとは背丈が倍近くに違うゴブリンが姿を現す。あれが、ハイゴブリンなのだろう。まあ、でかいと言っても俺ぐらいの身長だ。だが、強そうだ。
「グルㇽアァ」
ハイゴブリンが、でかい声で叫ぶ。ビビるなとでも言っているのだろうか。叫び声を聞き、群れが一斉に向かってくる。ハイゴブリンも一緒だ。
「群れが来るぞゴン! 乱戦だ!」
「オオオオオオオ」
四方八方からゴブリンが襲い掛かってくる。ゴンの攻撃とかち合わないように、動き回りながら迎撃をする。棒切れを持つ奴、無手で飛び込み噛付こうとする奴様々だ。数が多いから、振れば当たる。が、強い打撃にはならない。追い払う程度だ。
不意を突かれ、左脚の太ももに噛みつかれる。左手を噛付いたゴブリンの眼窩に掛けて引っぺがす。痛えが、俺の脚は短くて太い。奴らの牙じゃ、大した傷にはならない。しかし、その隙にハイゴブリンが近寄っていた。手にした、棍棒が降りあげられている。ガードが間に合わない――そう思った時、ハイゴブリンの足元が少し陥没してバランスを崩す。棍棒は明後日の方向に振り抜かれる。
「ボサっとしてんじゃないよ! さっさと、始末するよ!」
ハイゴブリンから距離を取りつつ、声の方に目を向けると、岩の上で杖を構えるガリーザが居た。
「ウォォオオン!!」
叫び声と共に、凄まじい速さでハダスが、ゴブリンの群れに突っ込んでくる。何匹かが、その勢いで吹き飛ばされる。ハダスは首に噛付いた一匹を、ベッと吐き捨てる。
「ゴブリン、クサイ。シネ」
更に、後ろから現れたラティオが、剣を突くとゴブリンの首が半分ちぎれている。
「時間稼ぎご苦労様でした。オークは無事始末しました。後ろの憂いはありません。随分と増えてしまいましたが、始末するとしましょう」
「組合に報告に戻ったんじゃあねえのか! 若えのが、無茶をするな!」
「無茶は、アンタ達の方じゃないかい! 荷物持ち二人で、百匹を超えるゴブリンとハイゴブリンを、相手に出来るわけないよ! それにね、荷物持ち見捨てて、ゴブリンごときに背を向けたら、『星の瞬き』は冒険者組合で笑われ者さ!」
バカ共が、時間を稼いだ苦労が水の泡だ。こうなったら、何が何でも生き延びてやる。意地でもだ。生きて帰る。それには、ゴブリン共は邪魔だ。死んでもらう。
「ハダス、ゴンさんと共に前衛壁役で攻撃を続けてください。ゲンさんと私で、逸れた連中を狩ります。ガリーザは、風系の術で、周囲の礫を当て、ハイゴブリンの牽制をお願いします」
剣を構えたまま、ラティオが指示を出し、それに答えてゴンとハダスが肩を並べて立つ。デカイ二人が並ぶと、かなりの威圧感がある。
数の優位があるにもかかわらず、後ずさりするゴブリン共に再度ハイゴブリンが威勢を付けようとするが、飛んできた礫が当り気勢が削がれる。
「小さい礫だから威力はないけど、当たれば痛いよ」
左手に杖を持ち替え、右手で拾った石を持つガリーザの牽制攻撃をかわきりに再度、乱戦が始まる。
「「ウオォォォ!!」」
前衛壁役の二人が雄叫びを上げる。
ハダスは無手だ。得物を手にしていない。だが、狼がもともと持つ武器を身に着けていた。「牙」と「爪」だ。指先からは、普段は見られない鋭い爪が生えている。いつもは、しまっておけるようだ。便利なことこの上ない。
飛びかかるゴブリンを払いのけるように、叩き落とす。大抵の奴らが、顔面や身体を爪で切り裂かれている。時たま、噛みつかれることもあるが、皮が厚いのか気にするそぶりも見せずに、頭を掴み口元に寄せ喉元を食い千切ってから投げ捨てている。ヒトでは出来ない芸当だ。俺がやれば、そのうち、歯がいかれる。
ラティオの剣の腕は、なかなか良い。回りこもうとするゴブリンに、鉄製の剣を上から突き刺すように振るっている。頭、首筋、胸部に剣が叩き込まれる。そのたびに、ゴブリン共は崩れ落ちていく。
ガリーザは、俺達の場所より離れた場所から礫を放っている。風の術の効果なのか、素手で放り投げているのに、俺達のスリングと変わらない位の速度がある。但し、扱える礫が小さいので威力には劣るようだ。不意に飛びかかろうとするゴブリンや、近づこうとするハイゴブリンを牽制している。
「お前達だけで十分に切り抜けられたんじゃあねえのか! ラティオよ!」
戦闘のさなか、背中越しのラティオに声を掛ける。
「いえいえ! これだけの数とオークの群れが相手になると、前衛二人では囲まれて襲われてしまいます。ハダスはともかく、私やガリーザが危ない」
ハダス、一人ならやれたのか? それでも実際は、数の暴力の前には屈していた可能性がある。
「二人を連れて、さっさと逃げる手はずでしたが、思いのほか二人が強い。これなら、いけそうだと判断をしました」
ゴブリンの数は見るからに減ってきている。前衛二人が振るう攻撃で、大半が倒れている。そろそろ、本丸のハイゴブリンをやれそうだ。
「特に、ゴンさんはすごいです。ハダスと同じくらいに強い。若干、攻撃に躊躇が見られるものの、とても肌人種とは思えません」
剣を構えながら、ラティオは呟く。
「それでも、トロルじゃねえからな。攻撃にためらいがあるのは、あいつの仕様だ」
――それに、まだ、実力を発揮していねえがな。それは、言わずにおいた。横目で見ると、ラティオが苦笑いを浮かべている。「やっぱり、信じられません」とでも言いたげだ。
遂にゴンとハダスが、ハイゴブリンに襲い掛かる。ハイゴブリンが振るう棍棒を、ゴンが短剣で受け止め、その隙にハダスが、顔面に掌底を繰り出す。周りのゴブリン共は俺とラティオで振り払っている。
顔面を爪で抉られ、顔を下に向けたハイゴブリンの首筋に振り上げたゴンの短剣が叩き落とされる。首元の半分位までに短剣は食い込んでいる。ハダスが、下から頭を蹴りあげると千切れかかった首が取れ上空に舞う。それを見た残ったゴブリン共が、ギイギイと情けない声を発しながら洞穴へと逃げ込んでいく。勝敗は決した。
「ア、キャア!」
女の悲鳴が後ろからする。振り向くと、ガリーザが、左腕を押さえて倒れ込んでいる。
「ガフ、ガフ」
二足歩行の棍棒や盾を持った犬が五匹程いる。背丈はゴブリンより少し大きい程度だ。身体には何も身に着けていない。しょぼいもんを股からぶら下がっているから雄だ。こいつら、いつの間に現れた。全員が、ガリーザの四肢に噛みつこうとしている。
――気づいた時にはゴンがコボルト共との距離を縮めていた。突き出した錆びた短剣は、犬の頭を貫いて口から飛び出ている。気づいた他の犬どもが慌てて、ゴンを襲おうとする。ゴンは犬が刺さったままの短剣を水平に振り、そのまま、払い倒してしまう。刺さっていた犬は、すっぽ抜けて宙を舞った後、川原に落ちている。
ゴンの目が冷めている。虚ろだと言ってもいい。おっかねえ状態だ。犬どもは、今ので完全に怖気いて、尻尾が股の間に入っている。ガリーザの前に立つゴンが一歩を踏み出すと、キャンキャン言いながら逃げていった。
「ガリーザは、大丈夫か! ゴン」
俺がそう声を掛けると、ハッと我に返ったゴンがガリーザの元に屈みこむ。
「うう、腕を動かしたら、だだ、ダメです。ここ、骨折している」
「だ、大丈夫だよ。後ろから、棍棒で叩かれただけだよ。命は取られていないよ」
ガリーザはよろよろと立ち上がる。ゴンが手を貸そうとしているが、大丈夫だと言って、手を借りようとしない。強情な女だ。
「さっきのは、亜人か」
「……ええ、コボルトです。犬型の亜人です。脚が速いので追っても無駄でしょう。戦闘のどさくさに紛れて近寄っていたようです。油断しました」
俺は、ゴンが仕留めたコボルトに目を向ける。犬と言ってもキタネエ雑種だろう。犬ころが勝利に水を差しやがって。
「……今夜は、犬鍋か」
「「「「エッ」」」」
全員が、そろってたまげた顔をこちらに向けている。なにをそんなに驚いているんだ。
俺達は、ゴブリンが逃げ込んだ洞穴の入口を覗いている。ときたま、ゴブリンが顔を出し、直ぐに引っ込める。出てくる気配はない。
コボルトの肉は破棄することになった。ラティオが、素材を入れる袋に入れるのを拒否した。余計な荷物を持つのも嫌だったので諦めることにする。犬鍋は次回だな。
始末したゴブリンの角は剥ぎ取ってある。コボルトの討伐証明部位は牙になるそうだ。若干、ゴブリンより鋭く長い。
今は各々が干し肉を齧っている。腕を負傷したガリーザは包帯で腕を吊るし、念のため、痛み止めを飲ませておいた。何の薬か分からないから、嫌がっていたが、ラティオから言ってもらい、どうにか飲ませた。落ち着いたのか今は、負傷した腕に逆の手を当ててボソボソと呟いている。
「アレもなにかの術なのか」
「治癒術を施しています。傷程度なら直ぐに治りますが、骨折となると完治させるには時間が掛かります。早期に復帰するには、お金は掛かりますが都市で治療をしないといけません」
それでも、便利なことだと思う。地球なら、病院で治療して、ひと月以上は掛かるだろう。残った肉を口に放り込み、咀嚼した飲みこんだ後、ラティオと洞穴の中のゴブリン達をどうするか問うことにする。
「ここまで来たら始末したいのですが、時間はかけたくありません。出てくる気配もないようですし、……諦めるしかないでしょうか?」
残念そうな顔でラティオは返事をする。洞穴の入口は狭い。俺でも腰を屈める必要がある。そんな隙をゴブリン共に見せれば、ひとたまりもない。
「なら、煙でいぶり出すか。しかし、上手く煙をおくることができんか」
「洞穴の広さや奥行きがどの程度か判断できませんが、まあ、やるだけやってみましょう」
「じゃあ、俺達は適当に、柴と生木を集めてくる。ゴン、一緒に来い」
「わわ、わかった」
森の中、素材には事欠かなかったので、それ程時間を掛けずに柴と生木を集めることが出来た。洞穴の入口前で、火を焚き、燻り出しの準備をする。しかし、風向きが少し悪い。横に流れる様に煙が散ってしまう
「ガリーザ、霊力はまだ大丈夫ですか。負傷しているところ悪いのですが、風の術で煙を洞穴へ送ってください」
「霊力は大丈夫さ。このくらい、我慢するよ」
ラティオも無理をさせる。こんな稼業だから、しょうがないのかも知れん。ガリーザは、右手の杖を前に突き出し、ボソボソと口の中で何かを唱える。所謂、呪文なのかもしれない。
煙がサーと洞穴の中へ向かう。だが、まだ量が足りない。生木と柴を足そうとゴンが動く。俺は、あらかじめ荷物から取り出していた物をゴンに渡す。
「ついでだから、こいつも入れろやゴン」
「とと、トンガラシかい。いい、意地が、わわ、悪い」
呆れ半分の顔をこちらに向けながらも、渡された唐辛子の束を受け取る。香辛料がわりに持っていたが、あまり使う機会がない。少し勿体ないが、使っちまおう。ラティオが怪訝そうな顔をしてこちらに尋ねる。
「今の赤い実はなんですか?」
「唐辛子って実を乾燥させた奴だ。とても辛い。火で焼くと、煙が目や喉に染みる。ハダスは嗅覚が良さそうだから、少し距離を置いてくれ。煙には巻かれないように注意だ」
「唐辛子? 知らない実ですね」
この辺には自生していないのかと思うが、そもそも唐辛子が自生しているところを見たことがない。そんなことは、まあいいと思い洞穴の入口を注視する。
ゴンはあまり近づきすぎないようにしながら、定期的に木をくべる。煙はもうもうと洞穴へと注がれる。ガリーザの顔が少し蒼い。我慢をしているな。
そうこうしているうちに、洞穴側からギイギイと鳴き声が聞こえ始めた。全員が、煙に巻かれない位置まで距離を取る。
よろよろと、ゴブリン達が這い出して来る。目から涙を流し不細工な顔をしかめ、咳き込みながら、メスもガキも次から次へと這い出して来る。
こちらを攻撃するだけの気力はないようだ。ゴンを護衛に置きガリーザは休ませ、俺達は出てきたゴブリンに止めを刺す。こうなれば、簡単なものだ。
燻の煙が止んだ後も、しばらく様子を見たがゴブリンが這い出てくる様子は見られない。もし、残っていても煙に巻かれて死んだことだろう。俺とラティオは討伐証明部位である角を剥ぎ取る。ゴンとハダスはゴブリンの遺体を洞穴に放り込んでいる。
「遺体の処理が済んだら、洞穴の入口を塞いでしまいましょう」
ガリーザを除く全員で、手で持ちあがる程度の石を積み上げる。ゴンとハダスはかなりでかい石をもてるから便利だ。隙間には小石を詰め塞いでおく。
「こんなものでしょう。皆さんお疲れ様です。中継地点まで戻りましょう」
ラティオが声を掛ける。良い仕事をした。晩飯が美味くなる。酒が欲しいが、流石に手元に無い物は望めない。ガリーザに目をやると、岩にもたれかかっている。ゴンが慌てて駆け寄り、様子を伺う。ホッとした顔をこちらに向け、
「ねね、寝ているだけ」
「痛み止めが効いたんだろう。寝かしておこうや。ゴン、お前が担げ。三人の荷物は俺が持つ。いいだろう、ラティオ」
「ご迷惑をおかけします」
「なあに、荷物を持つのが俺達の今日の仕事だ」
ゴンは軽々とガリーザを抱きかかえる。お姫様抱っこと言う奴だ。ガリーザが起きていたら、喧しいことこの上なかったであろう。寝ていて、逆に良かった。獲れた素材も討伐証明の角と牙位だ。行きと重量は大して変わらない。
「そういやあ、始末したオークはどうしたんだい」
「討伐証明部位の牙を剥ぎ取って、ハダスが邪魔にならない場所に捨てました」
勿体ねえなと思うも口には出さなかった。帰りに沢で水を汲みがてら、行きに見かけた、オランダガラシとセリにワサビを、ハダスに摘んでもらった。今晩の肉スープも美味いものになる。サラダも付けられる。ワサビ葉の醤油漬けを食えるのは少し後になる。
中継地点にたどり着いたのは陽が少し暮れたころだ。日陰の森で、生き物に遭遇することはなかった。荷物を降ろした、ゴンは着いて早々に飯の支度を始めている。俺は、焚火の準備を終え、ライターで火をつけているところをラティオに声を掛けられた。
「面白い道具ですね」
「……俺達の国の火打石だ。こすれば、中に溜めた油で火が付く仕組みだ」
実際は芯に上がり、揮発したオイルのガスを燃やしているわけだが、詳細な仕組みは説明しない。言っても理解は出来んだろう。
「沢で水を汲んでいた透明な入れ物もそうですが、貴方達は随分と変わった物をお持ちです」
「俺達の住む国では、当たり前の物だ。考え方が違うのだろうよ」
そう誤魔化しておく。誤魔化しきれるものではないかもしれないが、ラティオはそれ以上のことを聞いてくることはなかった。
晩飯はセリと鹿肉のスープと、オランダガラシを湯がいた、「クレソンのおひたし」だ。セリは、青竹のような短い根茎がないことを確かめているから、毒の心配はない。クレソンは生でも行けるのだが、念のためお湯で湯がいた。食用油と塩を絡めて味付けをしているから、おひたしとは言えないかも知れない。醤油の味が嫌がられるかもと判断をしたため、醤油は使用していない。
俺とゴンはそれとは別に、オークの干し肉をフライパンで炒め、ワサビの根を刻んで和えた物を別に食っている。オークのこってりとした油を流すような、ワサビのピリッとした辛みが良く合う。ラティオ達はやはり食べようとしないが、炒めている時の匂いを嗅ぐハダスの顔には迷いが出ていたのを見逃してはいない。今も、食いたそうにチラチラとこちらを見ている。
晩飯も食いがてら、今晩もラティオ達に質問し、色々と聞き出した。
まず、亜人の生態について。
ゴブリンは猿型の亜人で、陽の当たらない場所を好むという。日陰の森から外にでることは、ほとんどなく、俺達がこの中継地点で出会ったのはかなり稀なことであるため、調査が決まったという。力が弱いが、雑食性のため攻撃的で、繁殖力が高い。放置すると、群れが大きくなるため、定期的に冒険者達に討伐が依頼されているのだが、それでも今回のような群れが発生するらしい。
ハダスが、獣人種猿族もいるから、見かけたときに間違ってもゴブリンと呼ぶなと注意された。ここで、俺達が猿人と呼ばれない理由が分かった。
オークは豚型の亜人で、見た目と違い、草食性だ。肉は食わない。日陰の森から日向の森まで広範囲にうろついている。大きい群れにはならず、精々多くて4~5匹で行動するとのことだ。人を襲ったり、農村の畑を荒らすので、こちらも常時討伐が依頼されている。群れを離れた個体がゴブリンやコボルトの集団に襲われ食われるらしい。ただ大抵、返り討ちに合うとのことだ。
コボルトは犬型の亜人で、雑食性、ゴブリンと大して強さは変わらないが、嗅覚、聴覚は犬並に強いらしい。こちらは、日向の森にも出没することもある。ただ、繁殖力は普通で、群れも大きくても10匹前後で留まるとのこと。人を襲うから、こちらも常時討伐の対象だ。
というより、亜人はだいたいどの型も人を襲うので、討伐対象ということだ。日陰の森に住み着く亜人は比較的弱い型が多く、場所によっては、強大な強さを持つ型もいるから注意しろと言われた。
どの亜人も討伐証明部位を剥ぎ取るくらいで、大体打ち捨ててしまうそうだ。皮を剥ぎ取ることもしないし、食べようとは思いもしないらしい。昨晩聞いた通り、別に禁じられているわけではないので、勿体ねえなあと率直に思った。
飯の後、ガリーザには再度、市販薬の痛み止めを渡して飲むように伝えた。
「……多分、この薬のおかげで痛みが和らいだから、治癒術を掛けるだけの集中力が保てたんだと思うんだよ。普通は、ケガの痛みで集中力が鈍るから術が上手く行使できなくなるもんさ。いいのかい、高いんだろこんな上等な治療薬はさ」
「気にすんな。俺の国では、手軽に手に入る代物だ。遠慮せずにつかえや」
殊勝にも「分かった、ありがとう」と返してから、水と一緒に薬を飲みほす。国に帰れればいつでも手に入れられる。帰れればだが。ついでに、悪いとは思うが、「術」についてガリーザに問う。
「お前の使う術って奴は、覚えれば誰もが使えるのかい?」
「多分、アンタ達は無理だと思う。私の『霊力探知』で見ても霊力が感じられないからさ。霊力が無い奴は、いくら術について学んでも使うことはできないよ。霊力が皆無の奴は珍しいけれどもさ」
「私や、ハダスでも多少の霊力は持っています。冒険者や狩人は野営が多いので、着火や消臭、少量の水を取り出す『生活理術』や、物の簡易鑑定や、短時間の光源を発生させる、『一般理術』を使えないと旅がきつくなります。ただ、お二人を見ていると、なくても、どうにかなるような気がしてきますね」
ちなみにラティオとハダスは生活理術と、光源を発生させる一般理術がつかえるとのことだ。まあ、手の内すべてを明かすほどこちらを信頼していたわけではあるまい。
「アタシは、生活理術全般、一般理術を少し、基本四系統の初級魔術に、簡単な治癒術がつかえるのさ。ただ、治癒術は今回みたいな骨折を治すほどの知識がないから、実際はアンタ達がくれた痛みを止める程度か、傷を塞ぐ程度しか出来ないけどさ」
基本四系統とはなんだ? と聞き返すと呆れた顔をしている。
「本当に、アンタ達の国には術が無いのかねえ。信じられないよ。土、火、水、風がいわゆる基本四系統さ。覚えておきな、笑われるよ」
術はその他にも様々な系統に分かれているらしいが、覚えるのに時間もお金も掛かるため、大体はガリーザ程度の術士が多いらしい。
「いずれは、精霊術や、上級魔術も行使できるようにして見せるさ。そうしなきゃ、とても、国で上位の冒険者チームになる事は出来ないからさ」
ガリーザは将来の夢を語る。若いのは良いもんだ。ついでに、年齢を尋ねた。ラティオとガリーザは二十一歳、ハダスに至っては十八歳。……ゴンと同じ二十歳後半位だと思っていた。
ガリーザは今晩ゆっくりと寝かせることにし、四人で火の番の交代をすることに決め休むことにした。
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