第2話 再び
翌日...
「お兄ちゃん、朝ごはんだよ」
妹に呼ばれ、僕はあくびをしながら食卓へ向かった。
「おはよう~優唯」
僕は妹が作ってくれた朝ごはんをほうばり、準備をした。
「では、いってきま~す。優唯、遅れないようにね。」
「うん、いってらっしゃい」
そう言うと僕はいつもの通学路を自転車で駆け抜けた。
いつもの通学路なのになぜか何か月もここから離れていたかのように新鮮な気持ちだった。
学校に到着すると見慣れた顔ぶれがあった。詠児だ。
詠児はこちらを見るとたん、僕に近づき予想をこえる行動に出た。
「ドン!」
詠児はいきなり殴りかかるなり、激しい剣幕で話し出した。
「柚紗がどれだけ心配していたか知っているのか!」
僕は殴られた怒りをこらえながら怒鳴り返した。
「ああ!わかっているから今日、こうやって学校に来たんだ!昨日、柚紗にもかなり怒られたよ。お前も僕の事を心配していると聞いた時はびっくりしたけどなあ。」
「余計な言葉が入っていた気がしたが、お前...変わったな。いつもならむきになって殴り返してくるのにさあ。冷静に物事を考えられるようになったのか。」
詠児はすこし上から言ってきた。
「うるさい!お前には言われたくない!これは殴られた分な。」
そう言って、僕は詠児の胸板を軽く小突いた。
「教室にいこ!」
周りの子たちは僕たちが起こした騒動を敬遠の目で見ていたがそんなことは気にせず、教室へと向かった。
いつもの教室はしばらく来ないと新鮮で気持ちがよかった。
詠児との久しぶりの会話をしていると、柚紗が教室に入ってきた。柚紗は僕のことに気が付くと、微笑みながらこちらに向かってきた。
「恭平、おはよう~!あれ?その顔のアザはなに?」
そう言うと詠児のほうに視線を向けた。詠児は顔が真っ青になった。
「また殴ったの!?何回殴ったら気が済むの?恭平もやり返していいんだよ?」
「それどういうことだよ」
詠児は必死に食らいついていた。僕は詠児のフォローに入った。
「今回は、僕が悪いから、柚紗にも心配かけたし、ごめん」
2人はこの言葉に戸惑っていた。
「しょがないなあ。謝られたからには、許してやるよ。」
詠児がまた上から言ってたのを柚紗は見逃さず、不気味な笑みで詠児を見ていた。
チャイムが鳴った。久しぶりに聞くチャイムの音はどこか懐かしく感じた。
「は~い、出席をとるぞ~席につけよ~」
担任が教室に入り、面倒そうに声をかけて出席をとりはじめた。
なぜか名前を呼ばれ、返事をするだけの行動なのに妙に緊張してしまった。
「森野~、お!久しぶりじゃないか~ちゃんと遅れた分を取り返せよ!」
僕は元気な声で返事をした。
朝礼が終わり、一時間目の授業が始まった。長い期間休んでいたのか1つの授業が嫌というほど長く感じた。
昼食の時間になり、久しぶりに食堂にいきたくなったので2人を誘うことにした。
「詠児、柚紗、食堂に行こうか。」
「あれ?弁当はどうしたの?」
柚紗が心配そうに言った。
「作ってもらったよ。両方食べるんだよ。」
「お前なあ、どんだけ食べるんだよ。」
僕が冷静に答えた瞬間、詠児が呆れた声でそう答えた。
食堂に着き、いつも必ず座る席に行った。
楽しい食事が始まると思ったのはつかの間、外から騒ぎ声が聞こえるのだった...
ノットワークな世界で僕は・・・ きたばぁ @1115
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