第286話 育ち

 クロさんは、小さい頃、数か月間ノラ猫だった。

 ウチの前で拾われるまで、ノラ猫として生きてきた。


 チョビさんは、産まれてすぐにウチの前に捨てられた。

 捨て猫だ。


 そのせいだろうか、2人は大分と性格が違う。


 カミナリが鳴る夜


 クロさんは、すぐに身を隠す。

 物音をさせずに、じっと、どこかで丸まっている。


 チョビさんは窓からカミナリを見ている。

 恐いと感じないようだ。

 ドンッと空気が揺れるとビクッとなるが、隠れようとは思わないようだ。


 家猫というのは、危機感に欠けるのだろう。


 ノラの頃、怖い思いをしてきたであろうクロさん、少し可哀想になる。


 そこにいくとチョビさん…恐いものが無いんだろうな~。

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