第262話 寄り添う

 小さな顔

 僕の拳くらいの小さな顔が枕の横で眠っている。


 年老いた猫

 眠る時間が長くなった。


 チョビさんが赤ちゃんだった頃には、こんな人生は想像していなかった。

 10年以上の月日が流れ今、僕は心を病み…身体を病む…


 僕を置いて周りだけが進んでいく


 寄り添うように眠るチョビさん

 僕の姿を探し寄り添う猫の脇で泣きながら眠る


 幾度、こんな夜を迎えたのだろう…

 幾度、こんな夜を迎えるのだろう…


 僕は、この猫達がいなければきっと…

 護るわけでもない

 護られてるわけでもない


 柔らかな身体に触れれば、心に刺さる痛みがあるのはなぜ?

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